切除不能進行膵癌にはゲムシタビン単独よりもゲムシタビンS-1を併用する方が有効な可能性が明らかとなった。ゲムシタビン単独投与群とゲムシタビン、S-1併用投与群を比較したGEMSAP試験で、併用群が統計学的に有意に無増悪生存期間(PFS)を延長した。成果は6月4日から8日にシカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、東京大学消化器内科の中井陽介氏、伊佐山浩通氏らによって発表された。

 GEMSAP試験は、未治療の切除不能進行膵癌を対象に行われた臨床試験。ゲムシタビン単剤群(53人が登録、投与されたのは52人)には4週間を1サイクルとして、ゲムシタビン1000mg/m2を1日目、8日目、15日目に投与された。併用群(53人が登録、投与されたのは51人)には、4週間を1サイクルとしてゲムシタビン1000mg/m2を1日目と15日目に投与し、S-1は1日目から14日目まで40mg/m2を1日2回投与された。主要評価項目はPFSだった。

 試験の結果、PFS中央値は単剤群が3.6カ月(95%信頼区間:2.0-5.1)で、併用群が5.4カ月(95%信頼区間:2.0-9.4)、p=0.035で統計学的に有意に延長した。ハザード比も0.64(95%信頼区間:0.42-0.97)、p=0.036だった。抗腫瘍効果は、単剤群では完全奏効(CR)はなく、部分奏効(PR)が9.4%、安定状態(SD)が47.2%で奏効率は9.4%、疾患制御率は56.6%だった。一方併用群ではCRが1.9%、PRが17.0%、SDが60.4%で奏効率は18.9%、疾患制御率は79.2%だった。全生存期間(OS)は単剤群が8.7カ月(95%信頼区間:7.0-11.0)で、併用群が14.1カ月(95%信頼区間:7.8-18.6)、p=0.104併用群で延長する傾向が認められた。OSの最終結果は来年2月に出るという。

 一方、有害事象は単剤群と併用群で大きな差は見られなかった。