米University of California, Los AngelesのSara A. Hurvitz氏

 HER2陽性の局所再発もしくは転移性の乳癌で、抗HER2モノクローナル抗体トラスツズマブと抗VEGFモノクローナル抗体ベバシズマブによる一次治療は、生存期間を延長させるなど有効性が高いことがフェーズ2試験の最終結果で明らかになった。米University of California, Los AngelesのSara A. Hurvitz氏(写真)が、12月9日から13日まで米サンアントニオで開催されたサンアントニオ乳癌シンポジウムSABCS 2009)で発表した。

 フェーズ2試験は非ランダム化オープランラベル試験として、FISH法でHER2増幅が確認された(HER2陽性)切除不能の局所再発もしくは転移性の乳癌患者を対象に行われた。4週間を1サイクルとし、トラスツズマブ(投与開始時は4mg/kg、その後2mg/kg)を週1回投与し、ベバシズマブ(10mg/kg)を2週間に1回投与した。治療は最大2年とし、病勢進行や重度の副作用、同意撤回まで継続した。

 2004年12月から2007年4月までに、米国の19カ所から50人が登録された。年齢中央値は58.5歳(38〜73歳)、ホルモン受容体(HR)陽性が64%を占めた。26人(52%)の患者が術前・術後補助療法を受けており、このうち25人はアントラサイクリン系抗癌剤による治療を、20人はタキサン系抗癌剤の治療を受けていた。また1人はトラスツズマブによる術後補助療法を受けていた。

 トラスツズマブとベバシズマブ併用による治療サイクル中央値は6.25サイクル。抗腫瘍効果は、完全奏効が2人、部分奏効が22人、安定状態が15人、病勢進行が11人で、奏効率は48%で、臨床利益率は60%となった。奏効が見られた24人における奏効期間の中央値は10.9カ月で、全患者における増悪までの期間(TTP)中央値は7.1カ月、生存期間中央値は43.8カ月だった。また、TTPはHR陽性と陰性で有意な違いはなかった。

 治療関連の主な有害事象は、高血圧、心イベント、頭痛、鼻出血、倦怠感、蛋白尿、AST/ALT上昇、発熱/悪寒、下痢で、グレード3/4の有害事象は、高血圧が18人(36%)、蛋白尿が4人(8%)、頭痛は2人(4%)などだった。1人は穿孔性潰瘍により、術後4週間で敗血症で死亡した。また左室駆出率の低下は、患者の32%に認められたが、グレード4の1人を除き、他はすべてグレード1/2だった。

 これらの結果からHurvitz氏は、「トラスツズマブとベバシズマブによる併用療法は、化学療法を用いていないが、局所進行もしくは転移性の乳癌の治療として非常に期待できる」と語った。