英University of EdinburghのBartlett JMS氏

 閉経後早期乳癌術後補助療法として、アロマターゼ阻害剤のエキセメスタンを投与すると、HER2/3陰性の患者ではタモキシフェンを投与するよりも再発率が低くなることが報告された。ホルモン療法を受ける患者において、HER2たんぱく質、プロゲステロン受容体、リンパ節転移の有無、病期、腫瘍の大きさ、年齢が独立した予後予測因子であることも分かった。TEAM試験の病理学的解析の結果により示されたもの。英University of EdinburghのBartlett JMS氏(写真)が、12月9日から13日まで米サンアントニオで開催されたサンアントニオ乳癌シンポジウムSABC 2009)で発表した。

 TEAM試験(tamoxifen exemestane adjuvant multinational)は、2.75年タモキシフェン20mgを毎日投与したあと5年までエキセメスタンに切り替えた群と5年間エキセメスタン25mgを毎日投与する群を比較したもの。

 研究グループは、TEAM試験登録者のうち4598人の病理検体を解析した。HER1は免疫組織染色(IHC)が85%完了しており、1.7%の患者が陽性だった。HER2は13%がIHCで陽性で、FISHによる検査が進められている。HER3は、IHCの結果21%が陽性だった。HER2/3のIHCによる解析は、4598検体中4306件(93.6%)で終了し、29.4%が陽性だった。解析は、試験開始から2.75年時点でのTEAM試験の無病生存データと組み合わせて行われた。

 その結果、HER2/3が陰性の場合にエキセメスタンが有効であることが明らかとなった。HER2/3が陰性の患者では、ハザード比は0.69(95%信頼区間;0.53-0.88)、一方HER2/3が陽性の場合のハザード比は1.13(95%信頼区間:0.82-1.55)となった。

 多変量解析の結果、HER2発現の増加(ハザード比;1.13、95%信頼区間;1.05-1.23、p<0.003)、プロゲステロン受容体の減少(ハザード比;0.83、95%信頼区間;0.78-0.88、p<0.0001)などが、リンパ節転移の有無、グレード、腫瘍の大きさ、年齢と並んで、独立した予後因子だった。再発リスクモデルを用いた分析によると、HER2/3陽性の患者では、リスクスコアと2.75年時点での有病率の関係は、タモキシフェン群とエキセメスタン群で差がなく、HER2/3陽性の患者では予後因子によって、エキセメスタンとタモキシフェンに差がないことも分かった。

 一方、HER2/3陰性の患者では、リスクスコアが上がると2.75年時点での有病率の関係は、タモキシフェン群とエキセメスタン群で差が拡大しており、予後因子でリスクが高い患者はエキセメスタンを選択した方が良いという結果になった。

 今回の解析の結果、HER2/3陰性である患者には、タモキシフェンよりもエキセメスタンを投与した方が良いことが示されたことになる。