米University of California, Los AngelesのSara Hurvitz氏

 化学療法による治療歴があるHER2陰性転移性乳癌患者において、ベバシズマブと化学療法による二次治療は無増悪生存期間ならびに奏効率を改善することが報告された。フェーズ3試験RIBBON-2で明らかになった。米University of California, Los AngelesのSara Hurvitz氏(写真)が、12月9日から13日まで米サンアントニオで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウムSABCS 2009)で発表した。

 ベバシズマブと化学療法の併用については、E2100、AVADO、RIBBON-1試験において、一次治療としての有効性が示されている。このRIBBON-2試験では二次治療における効果と安全性が検討された。

 RIBBON-2試験は多施設共同の無作為化二重盲検プラセボ対照試験で、化学療法による治療歴のあるHER2陰性転移性乳癌を対象に行われた。2006年2月から2008年6月までに、19カ国211施設から684人が登録された。ベバシズマブと化学療法を併用する群(ベバシズマブ群)とプラセボと化学療法を併用する群(プラセボ群)に2:1に分けられた。

 併用する化学療法には、タキサン系抗癌剤のパクリタキセルとドセタキセル、ゲムシタビン、カペシタビン、ビノレルビンが使用された。投与量は、パクリタキセルは90 mg/m2/週もしくは175 mg/m2、あるいはナノ粒子アルブミン結合パクリタキセル(nab-paclitaxel) 260 mg/m2で、ドセタキセルは3週置きに75〜100 mg/m2が投与された。ゲムシタビンは3週置きに第1日と第8日に1250 mg/m2、 カペシタビンは3週置きに第1日から第14日に2000 mg/m2、ビノレルビンは30 mg/m2/週。ベバシズマブは併用する化学療法によって2週置きに10mg/kgあるいは3週置きに15mg/kgが投与された。

 684人のうち、タキサン系抗癌剤による治療を受けたのは304人、ゲムシタビンが160人、カペシタビンが144人、ビノレルビンが76人であった。今回の発表では2009年3月31日の時点で、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)と副次評価項目である奏効率の最終解析の結果、さらに全生存期間の中間解析の結果が報告された。

 PFS中央値はプラセボ群が5.1カ月(95%信頼区間;4.1-6.0)、ベバシズマブ群は7.2カ月(95%信頼区間;6.5-7.6)で、ハザード比は0.78(95%信頼区間;0.64-0.93、p=0.0072)と、ベバシズマブ投与で有意な改善が認められた。

 化学療法別に見ると、タキサン系抗癌剤ではプラセボ群は5.8カ月、ベバシズマブ群は8.0カ月でハザード比は0.64(95%信頼区間;0.49-0.84)、ゲムシタビンではそれぞれ5.5カ月、6.0カ月でハザード比は0.90(95%信頼区間;0.61-1.32)、カペシタビンでは4.1カ月、6.9カ月でハザード比は0.73(95%信頼区間;0.49-1.08)であった。また、ビノレルビンではプラセボ群が7.0カ月、ベバシズマブ群が5.7カ月、ハザード比は1.42(95%信頼区間;0.78-2.59)となったが、人数が合計で76人と少なかったことが原因とHurvitz氏は説明した。

 奏効率はプラセボ群が29.6%、このうち完全奏効(CR)率は1.1%、ベバシズマブ群は39.5%、CR率は2.2%で、ベバシズマブの上乗せ効果が示された(p=0.0193)。

 全生存期間の中央値はプラセボ群が16.4カ月(95%信頼区間;14.6-20.2)、ベバシズマブ群が18.0カ月(95%信頼区間;17.1-20.2)で、ハザード比は0.90(95%信頼区間;0.71-1.14、p値=0.3741)と、現段階では有意差は認められなかった。1年生存率は、それぞれ66.2%、69.5%だった。

 グレード3以上の有害事象の発生率は、プラセボ群(221人)が22.6%、ベバシズマブ群(458人)が35.2%で、重篤な有害事象はそれぞれ17.6%、24.5%であり、有害事象による投与中止は7.2%、13.3%、有害事象による死亡が2.3%(5人)、1.3%(6人)に見られた。

 主なグレード3以上の有害事象は、好中球減少がプラセボ群で14.5%、ベバシズマブ群で17.7%、高血圧がそれぞれ0.5%、9.0%、感覚神経障害が5.9%、6.3%、蛋白尿が0.5%、3.1%、発熱性好中球減少が2.7%、2.2%などであり、新たな有害事象はなかった。

 これらの結果からHurvitz氏は、「RIBBON-2試験は、HER2陰性転移性乳癌の無増悪生存期間を有意に改善した第4番目のフェーズ3試験である」とした。