米Mayo ClinicのPerez EA氏

 HER2陽性乳癌術後補助療法として、アドリアマイシン(A)、シクロホスファミド(C)を投与し、さらにパクリタキセル(T)を投与する際に、同時または連続して52週間、トラスツズマブ(H)を投与することが、化学療法のみに比べて、統計学的に有意に5年無病生存率を改善することが報告された。フェーズ3試験NCCTG N9831の最新の解析の結果示されたもの。成果は米Mayo ClinicのPerez EA氏(写真)が、12月9日から13日まで米サンアントニオで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウムSABCS 2009)で発表した。

 NCCTG N9831試験は、1期から3期の浸潤性乳癌患者の術後補助療法としての効果を、A群(アドリアマイシンとシクロホスファミドを3週置きに4回投与した後パクリタキセルを1週置きに12回投与)、B群(アドリアマイシンとシクロホスファミドを3週置きに4回投与した後パクリタキセルを1週置きに12回投与し、さらにその後トラスツズマブを1週置きに52回投与)、C群(アドリアマイシンとシクロホスファミドを3週置きに4回投与した後パクリタキセルとトラスツズマブを1週置きに12回投与し、放射線治療とホルモン療法の両方かどちらかを行った後1週置きに40回トラスツズマブを投与)で比較した。

 NCCTG N9831試験では、2000年5月から2005年4月までに、A群が1087人、B群が1097人、C群が949人それぞれ治療を受けた。A群とB群の2回目となる中間解析の比較では、観察期間中央値5.5年で386イベント(A群は222イベント、B群が164イベント)が発生した。5年無病生存率はA群は71.9 %だったが、B群は80.1%となった。ハザード比(B群/A群)は0.70(95%信頼区間;0.57-0.86、p=0.0005)と、B群の方が統計学的に有意に無病生存率を改善した。年齢、腫瘍径、陽性リンパ節数、エストロゲン受容体の発現で調整したハザード比(B群/A群)は0.67(95%信頼区間;0.55-0.82)となった。

 B群(954人、C群が登録完了した時点で登録終了)とC群(949人)の初めての中間解析となる比較では、観察期間中央値5.3年で、312イベント(B群が174イベント、C群が138イベント)が発生した。5年無病生存率は、B群が79.8%だったが、C群は84.2%となった。腫瘍径、陽性リンパ節数、エストロゲン受容体の発現で調整したハザード比(C群/B群)は0.75(95%信頼区間;0.60-0.94、p=0.0190)となった。

 統計学的には有意でなかったが、トラスツズマブの投与はパクリタキセルの投与と同時に開始した方が5年無病生存率が高かったことから、同時に始めることがよいとされた。