アロマターゼ阻害剤(AI剤)であるアナストロゾールの治療中に関節痛と筋肉痛を経験し、投与を中止した患者が、同じAI剤であるレトロゾールに切り替えたところ、87%の患者が6カ月間投与を継続でき、QOLも改善したことが報告された。米Sarah Cannon Research InstituteのDenise A. Yardley氏が、12月9日から13日まで米サンアントニオで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウムSABCS 2009)で発表した。

 AI剤はホルモン受容体陽性の閉経後女性に使用され、エストロゲン産生を阻害することで効果を発揮する。しかし、リウマチ様の関節痛や筋肉痛などの副作用が生じることが知られている。

 今回の成果は、閉経後女性でホルモン受容体(HR)陽性の早期乳癌患者を対象とした多施設共同オープンラベル非ランダム化試験で得られた。患者はアナストロゾール治療中に、グレード2/3の関節痛もしくは筋肉痛を経験し、治療を中止した。

 アナストロゾールによる治療中止から2〜3週後に、レトロゾールを1日に2.5mg投与し、6カ月間続けた。試験の主要評価項目は、グレード2以上の関節痛・筋肉痛によるレトロゾール治療中止の患者比率とし、副次評価項目はレトロゾール治療中止までの期間、治療中止の全患者比率とした。

 261人が登録し、年齢中央値は61歳(32〜88歳)で、65歳未満が64.4%を占めた。グレード0/1の関節痛の患者が2.3%、グレード2が71.3%、グレード3が26.4%で、グレー0/1の筋肉痛の患者が28.3%、グレード2が52.5%、グレード3が19.2%であった。

 この結果、6カ月までに、グレード2以上の関節痛・筋肉痛によるレトロゾール治療の中止は25人(9.6%、95%信頼区間;6.01-13.15)と少なく、全理由による治療中止は33人(12.6%、95%信頼区間;8.61-16.68)だった。

 またQOLを疼痛スコアであるBPI(Brief Pain Inventory)や、HAQ(Health Assessment Questionnaire)、疼痛関連のVAS (Visual Analog Scales)を用いて評価したところ、6カ月の時点でいずれも有意に改善した(p=0.001、p=0.019、p=0.001)。

 主な有害事象は、関節痛(33.7%)、筋肉痛(29.9%)、ほてり(14.2%)、倦怠感(12.3%)、悪心(5.0)、うつ症状(5.0%)で、グレード3/4の有害事象は、関節痛が21人(8.0%)、筋肉痛が15人(5.7%)、ほてりが1人(0.4%)、うつ症状が1人(0.4%)だった。

 これらの結果から演者らは、「関節痛や筋肉痛のためにアナストロゾールからレトロゾールに切り替えるスイッチ療法は、AI剤治療の継続を可能にし、AI剤による術後補助療法のベネフィットを最大限に生かすことになる」と結論付けた。