英Mount Vernon HospitalのDavid W. Miles氏

 未治療のHER2陰性局所進行、転移性乳癌患者で、化学療法へのベバシズマブの追加投与によって無増悪生存期間と奏効率が改善することが確認された。一次治療としてベバシズマブドセタキセルの併用を検討した無作為化二重盲検フェーズ3試験AVADOにおけるフォローアップ期間中央値25カ月時点の解析で明らかになった。英Mount Vernon HospitalのDavid W. Miles氏(写真)が、12月9日から13日まで米サンアントニオで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウムSABCS 2009)で発表した。

 AVADO試験はHER2陰性で局所進行または転移性の乳癌患者を対象とし、ベバシズマブ(7.5mg/kgもしくは15mg/kg)とドセタキセルを併用する群と、プラセボとドセタキセルを併用する群の3群を比較した。2006年3月から2007年4月までに736人が登録された。

 プラセボとドセタキセル100mg/m2を併用する群(プラセボ群)は241人、ベバシズマブ7.5mg/kgとドセタキセルを併用する群(ベバシズマブ7.5mg群)は248人、ベバシズマブ15mg/kgとドセタキセルを併用する群(ベバシズマブ15mg群)は247人であった。いずれも3週置きに投与し、ドセタキセルは最大9サイクルまで投与し、ベバシズマブもしくはプラセボは病勢進行まで継続投与した。また最初の解析後、盲検を解除し、ベバシズマブ投与を可能とした。

 フォローアップ期間中央値10.2カ月の時点で、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)は、ベバシズマブの追加で有意に延長し、副次評価項目である奏効率も改善することが報告されていた。

 今回の発表では、フォローアップ期間中央値25カ月におけるPFSと奏効率、さらに全生存の結果が報告された。ITT(Intention-to-Treat)解析によるベバシズマブ7.5mg群のPFSは9.0カ月、プラセボ群は8.2カ月、ハザード比は0.86(p=0.1163)、センサード解析ではそれぞれ9.0カ月、8.1カ月、ハザード比は0.80(p=0.045)となった。ベバシズマブ15mg群のPFSは、ITT解析では10.1カ月で、ハザード比は0.77(p=0.0061)、センサード解析ではそれぞれ10.0カ月、ハザード比は0.67(p=0.0002)と、ベバシズマブ投与によってPFSは有意に改善した。

 奏効率はプラセボ群が46.4%、ベバシズマブ7.5mg群が55.2%(p=0.0739)、ベバシズマブ15mg群は64.1%(p=0.0003)だった。また1年生存率はそれぞれ76%、81%(p=0.198)、84%(p=0.02)となった。全生存期間は、ベバシズマブ7.5mg群では中央値が30.8カ月、プラセボ群が31.9カ月で、ハザード比が1.05(p=0.7198)、ベバシズマブ15mg群では30.2カ月で、プラセボ群に対するハザード比が1.03(p=0.8528)と、有意な違いは見られなかった。

 試験では二次治療に進んだプラセボ群の患者170人のうち、90人がベバシズマブ投与を受け、ベバシズマブ7.5mg群では175人のうち76人、ベバシズマブ15mg群は172人のうち53人がベバシズマブ投与を継続している。ベバシズマブの追加によってPFSや奏効率は有意な改善が見られるものの、生存には有意な改善が認められなかったことに関してMiles氏は、「一次治療後の治療、特にベバシズマブの使用による影響が考えられる」と考察した。