米Sarah Cannon Research InstituteのYardley DA氏

 mTOR阻害剤Ridaforolimus(AP23573;MK-869)とトラスツズマブとの併用が、トラスツズマブ難治性のHER2陽性転移性乳癌に有効である可能性が報告された。多施設フェーズ2試験の結果示されたもの。成果は米Sarah Cannon Research InstituteのYardley DA氏(写真)が、12月9日から13日まで米サンアントニオで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウムSABCS 2009)で発表した。

 トラスツズマブ抵抗性には、PI3K/Akt経路の異常な信号伝達が原因ではないかと考えられている。前臨床試験やレトロスペクティブな臨床データから、mTORを阻害することがトラスツズマブ抵抗性を克服できる可能性が示唆されている。

 今回のフェーズ2試験は、全身状態が比較的良い転移性乳癌患者でトラスツズマブ難治性の患者を対象に2段階に分けて行われた。Ridaforolimusは、毎週連続して5日間、1日1回40mgを経口投与された。トラスツズマブは、週1回静脈内投与された。最初の週は4mg/kgで次の週からは2mg/kgが投与された。4週間を1サイクルとした。

 最初の段階は14人の患者で行い、少なくとも1サイクル後に安全性の評価を行い、2週間置きに効果を測定した。この中間解析で1人以上の奏効例が認められたことから、2段階目として患者を20人追加登録した。

 現在までに34人が登録された。年齢の中央値は54歳(33-88)。この試験の前に受けていた化学療法が1種類の患者が7人、2種類の患者が7人、3種類の患者13人、4種類以上の患者が7人だった。トラスツズマブを含む治療を1種類受けたことのある患者は15人、2種類が16人、3種類が3人だった。

 試験の結果、部分奏効(PR)が5人、安定状態(SD)の患者が13人認められ、奏効率は15%(95%信頼区間;5.0-31.1)だった。24週以上のSDを加えた臨床利益率は20.6%だった。無増悪生存期間中央値は16.4週だった。

 一方、副作用はグレード5の大腸穿孔が1人あり、グレード4の口内炎が1人、血小板減少症が1人で認められた。グレード3の副作用は口内炎が4人、粘膜炎症が2人、無力症が2人、倦怠感が2人、肺炎が2人、好中球減少症が2人、高血糖症が2人、アラニン・アミノトランスフェラーゼ上昇が2人、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ上昇が2人だった。重篤な副作用と判定されたのは7人だった。