米Kimmel Cancer CenterのStearns V氏

 早期乳癌術後補助療法として、アロマターゼ阻害剤を服用した場合に発生する関節炎や血管運動系の副作用と、再発抑制効果の間には関係がないことが報告された。アナストロゾールエキセメスタンで、術後補助療法としての効果を比較するMA.27試験の解析の結果、明らかになった。米Kimmel Cancer CenterのStearns V氏(写真)が、12月9日から13日まで米サンアントニオで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS 2009)で発表した。

 MA.27試験は2003年5月26日に開始され、2008年7月31日で登録を完了した。7576人がアナストロゾールを5年間投与される群とエキセメスタンを5年間投与される群に割り付けられた。主要評価項目は無イベント生存率で、副次評価項目は全生存期間、遠隔再発までの期間、対側乳癌の発生率、長期間投与の安全性。

 今回発表されたのは、治療グループを横断的に調べ、ほてりなどの血管運動系の障害や関節痛などの関節症状の早期の発現もしくは悪化が無再発生存に関連するか解析したもの。投与開始後3カ月、12カ月時点での評価を行った。3カ月時点では再発を起こしていない患者は7118人おり、そのうちグレード3/4の症状を基礎疾患として持っている患者を除くと5477人となり、すべてのグレードの症状を持つ患者を除くと4749人となった。4749人のうち3カ月以内にグレード3以上の血管運動系の症状のみが出現した患者は119人、グレード3以上の関節部の症状が出現した患者は69人、両方の症状が現れたのは42人だった。4519人(95.2%)がどちらも出なかった。

 3カ月までに症状が発現した230人と発現しなかった4519人で5年間の無再発生存を調べたところ、ハザード比1.09(95%信頼区間;0.64-1.85、Log Rank p=0.7575)で、再発と早期副作用出現の間には関連がなかった。

 12カ月までに、基礎疾患として症状を持つ患者を除いた4691人で調べたところ、グレード3以上の血管運動系、関節系のどちらかまたは両方を発現した患者は2497人だった。

 両方とも発現しなかった2194人と発現した患者で5年間の無再発生存率を調べたところ、ハザード比0.86(95%信頼区間;0.63-1.18、Log Rank p=0.3547)で差は見られなかった。

 Stearn氏は、「更なるデータが利用可能にならない限り、医師は投薬の初期に出てくる副作用を効果予測因子として使うべきではない」と指摘した。