化学療法にベバシズマブを追加することによって、HER2陰性で局所進行または転移性乳癌患者の無増悪生存期間(PFS)が延長することが3つの多施設共同無作為化フェーズ3試験のサブ解析で明らかになった。試験によって効果の程度は異なるが、エストロゲン受容体(ER)とプロゲステロン受容体(PR)、HER2が全て陰性のトリプルネガティブの患者において、ベバシズマブ追加の有用性が確認された。米Baylor-Sammons Cancer CenterのJoyce O’Shaughnessy氏らが、12月9日から13日まで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウムSABCS 2009)で発表した。

 対象試験は、E2100、AVADO、RIBBON-1の3試験。いずれも、HER2陰性で局所進行または転移性乳癌に対する一次治療として、化学療法にベバシズマブを併用することによって、PFSが有意に改善することが報告されている。

 試験によって使用された化学療法は異なり、E2100試験はベバシズマブとパクリタキセルの併用群とパクリタキセル単独群が比較され、AVADO試験ではベバシズマブとドセタキセルの併用群とプラセボとドセタキセルの併用群が比較された。RIBBON-1試験では、タキサン系製剤(アルブミン結合パクリタキセル、ドセタキセル)またはアントラサイクリン系製剤(以下、T/A)、あるいはカペシタビンによる化学療法とベバシズマブの併用群と化学療法とプラセボの併用群が比較された。

 サブ解析では、トリプルネガティブ(ER陰性、PR陰性、HER2陰性)、ホルモン受容体(HR)陽性、年齢(65歳以上)、術前・術後補助療法としてのタキサン系製剤の使用について、いずれの試験においても、ベバシズマブによるPFS延長が検討された。

 その結果、トリプルネガティブの患者のPFS中央値は、ベバシズマブの追加によって、E2100試験では5.3カ月から10.6カ月に延長し(ハザード比;0.49、95%信頼区間;0.34-0.70)、AVADO試験でも5.4カ月からベバシズマブ(15mg)の追加で8.2カ月(ハザード比;0.53、95%信頼区間;0.34-0.84)と有意に延長した。またRIBBON-1試験では、カペシタビン投与群では4.2カ月から6.1カ月(ハザード比0.72、95%信頼区間;0.49-1.06)、T/A投与群では6.2カ月から6.5カ月(ハザード比;0.78、95%信頼区間;0.53-1.15)と、有意ではないが、ベバシズマブの投与によってPFSは延長する傾向が示された。

 65歳以上の患者におけるPFS中央値は、E2100試験では、6.1カ月から10.4カ月に延長し(ハザード比;0.67、95%信頼区間;0.42-1.05)、AVADO試験は8.0カ月から8.8カ月(ハザード比;0.68、95%信頼区間;0.53-0.89)。RIBBON-1試験のカペシタビン投与群では6.2カ月から9.1カ月(ハザード比;0.69、95%信頼区間;0.47-1.02)、T/A投与群では8.5カ月から10.1カ月(ハザード比;0.83、95%信頼区間;0.52-1.34)となった。

 術前・術後補助療法としてタキサン系製剤による治療を受けた患者におけるPFS中央値は、E2100試験では、5.8カ月から13.1カ月に(ハザード比;0.33、95%信頼区間;0.20-0.54)、AVADO試験は6.7カ月から8.6カ月(ハザード比;0.43、95%信頼区間;0.23-0.81)に有意に延長した。RIBBON-1試験のカペシタビン投与群では4.2カ月から8.7カ月(ハザード比;0.62、95%信頼区間;0.45-0.84)と有意に延長したが、T/A投与群では6.7カ月から9.1カ月(ハザード比;0.65、95%信頼区間;0.39-1.07)となった。

 このほかHR陽性でも同様の傾向が認められた。以上のことから、サブセットおよび試験によってハザード比やPFS中央値は異なるが、「ベバシズマブの追加はPFSを有意に改善した」と結論付けた。