H. Joensuu氏

 術後補助療法として、カペシタビンを化学療法に追加することで、再発や死亡のリスクを有意に低下させることが明らかになった。再発リスクの高い早期乳癌患者を対象とした「FinXX」試験の中間解析によるもので、Finnish Breast Cancer Groupを代表してH. Joensuu氏(写真)が、12月10日から14日まで開催されたサンアントニオ乳癌シンポジウムで発表した。

 FinXX試験は、リンパ節転移陽性の乳癌、もしくはリンパ節転移陰性で、腫瘍サイズが20mmを超え、PgR陰性の乳癌患者を対象に、ドセタキセル投与後にCEF療法(シクロフォスファミド、エピルビシン、5-FU)を行う群(T/CEF群)と、ドセタキセルとカペシタビン併用(XT療法)後に、5-FU をカペシタビンに変更したCEX療法(シクロフォスファミド、エピルビシン、カペシタビン)を行う群 (XT/CEX群)を比較検討した。

 投与法は、T/CEF群では、3週置きに、ドセタキセル80mg/m2を1日目に投与し、これを3回行った後、CEF療法を3回行った。CEF療法はシクロフォスファミド600mg/m2、エピルビシン75mg/m2、5-FU 600mg/m2 をそれぞれ第1日目に投与した。

 一方、XT/CEX群では、3週置きに、ドセタキセル60mg/m2を1日目に投与し、カペシタビンは900mg/m2を1日2回、1〜14日に投与し、これを3回行った。その後、CEX療法として、エピルビシンとシクロフォスファミドはCEF療法と同じ用量、同じスケジュールで投与し、カペシタビンはXT療法と同じ投与スケジュールで3回行った。

 2004年1月から2007年5月までにフィンランド15施設、スウェーデン5施設の1500人が登録された。リンパ節転移陽性がT/CEF群90%、XT/CEX群が89%を占め、組織学的グレード2がそれぞれ47%、48%、グレード3が42%、40%、HER2陽性は両群とも19%だった。ITT解析は1496人で行った。

 追跡期間中央値は3年で、再発あるいは死亡が、T/CEF群は10.7%、XT/CEX群は7.2%だった。無再発生存率はT/CEF群は88.9%、XT/CEX群は92.5%で、カペシタビンの投与により再発リスクは34%改善していた(ハザード比は0.66、95%信頼区間0.47‐0.94、p=0.020)。またカペシタビン投与で、遠隔再発リスクは36%(p=0.014)改善し、死亡リスクも39%(p=0.089)の改善傾向を示した。

 グレード3/4の有害事象のうち、T/CEF群で発生率が高かったのは、好中球減少(T/CEF群97.9%、XT/CEX群86.0%)、無月経(以下同87.3%、81.5%)、好中球減少を伴う感染症(12.4%、5.8%)、発熱性好中球減少(8.8%、4.4%)、筋痛(8.0%、1.9%)だった。

 一方、XT/CEX群で高かったのは、手足症候群(0.3%、11.1%)、下痢(3.4%、6.2%)、爪障害(0.5、4.7)、口内炎(1.6%、4.2%)であり、「T/CEFとXT/CEXでは毒性プロフィールが異なる」と評価された。

 これらの結果から、研究グループは「XT/CEX群はT/CEF群に比べて、ドセタキセルの用量が低いにも関わらず、再発リスクを大幅に改善した」と結論した。最終的な解析は2010年に行われる見込みだ。