米National Surgical Adjuvant Breast and Bowel Project (NSABP)のSwain SM氏

 ドキソルビシン(A)とシクロフォスファミド(C)を投与したあとにドセタキセル(T)を投与する方法は、AとTを投与する方法、T、A、Cを投与する方法に比べて手術可能乳癌患者の術後補助療法として有意に全生存を改善することが明らかとなった。長期観察臨床試験NSABP B-30の結果、明らかになったもの。12月14日、サンアントニオ乳癌シンポジウムで、米National Surgical Adjuvant Breast and Bowel Project (NSABP)のSwain SM氏(写真)によって発表された。

 1999年3月1日から2004年3月31日までに登録されたcT1-3、N0-1、M0の手術可能乳癌患者を、受ける術後補助療法の種類によって3群に分けた。

 グループ1(AC→T群、1783人)は、A60mg/m2とC600mg/m2を3週置きに4回投与し、その後にT100mg/m2を3週置きに4回投与した。グループ2(AT群、1784人)は当初A60mg/m2とT60mg/m2を3週置きに4回投与していたが、2000年9月18日から投与用量をA50mgとT75mg/m2を3週置きに4回投与することに切り替えられた。変更前の用量で544人が投与された。グループ3(TAC群、1784人)は、当初、A60mg/m2とT60mg/m2、C600mg/m2を3週置きに4回投与していたが、やはり2000年9月18日に投与用量をA50mg/m2とT75mg/m2、C500mg/m2の3週置き4回投与に変更した。変更前の用量では543人が投与を受けた。

 ホルモン受容体が陽性の患者はタモキシフェンの投与をうけたが、2002年11月14日からは、化学療法後にホルモン療法を連続して受けるよう変更となった(3926人中2996人が変更前に無作為化された)。フォローアップ期間中央値は73カ月だ。

 試験登録時の患者は、AC→T群では閉経前の患者が45%、閉経後の患者が54%、不明が1%、年齢は49歳以下が46%、50歳超が54%だった。AT群では閉経前の患者が47%、閉経後の患者が51%、不明が1%、年齢は49歳以下が46%、50歳超が54%だった。TAC群では閉経前の患者が46%、閉経後の患者が53%、不明が1%、年齢は49歳以下が45%、50歳超が56%だった。

 AC→T群では64%の患者が1個から3個のリンパ節陽性で、25%の患者が4個から9個、8%の患者が10個以上、不明が3%だった。AT群では
64%の患者が1個から3個のリンパ節陽性で、24%の患者が4個から9個、8%の患者が10個以上、不明が3%だった。TAC群では65%の患者が1個から3個のリンパ節陽性で、25%の患者が4個から9個、8%の患者が10個以上、不明が2%だった。

 また、各群ともエストロゲン受容体陰性が25%、陽性が75%を占めていた。各群とも49%の患者が腫瘍摘出手術を受け、51%の患者が乳腺切除手術を受けた。24%の患者は局所放射線療法を受けた。

 試験の結果、主要評価項目であった全生存では、AC→T群はTAC群に対してハザード比0.86(p=0.086)、AT群に対して同0.83(p=0.034)で、TAC群よりも14%、AT群よりも17%、それぞれ死亡リスクを有意に減少させた。TAC群はAT群に対してハザード比0.96(p=0.67)でほぼ同等の有効性を示した。

 無病生存では、AC→T群はTAC群に対してハザード比0.83(p=0.006)、AT群に対して同0.80(p=0.001)で、TAC群よりも17%、AT群よりも20%、それぞれリスクを有意に減少させた。TAC群はAT群に対してハザード比0.96(p=0.58)でほぼ同等の有効性を示した。

 リンパ節の最初の状態、エストロゲン受容体の発現の有無、閉経前か後かといったことと術後補助療法の結果との間には治療の相互関係はなかった。また、6カ月以上の無月経を経験した患者は、どの治療法でも有意に全生存が改善していた。