米Washington University School of MedicineのEllis MJ氏

 高用量フルベストラント閉経後進行乳癌のファーストラインの治療薬になる可能性が示された。フェーズ2臨床試験で、アロマターゼ阻害剤であるアナストロゾール1mg投与群と比べ、臨床利益率、奏効率が同等で、増悪までの時間(TTP)が有意に延長できることが明らかになった。成果は米Washington University School of MedicineのEllis MJ氏(写真)が12月14日、サンアントニオ乳癌シンポジウムのポスターセッションで発表した。

 フルベストラントは、アゴニスト作用のないエストロゲン受容体拮抗剤で、エストロゲン受容体に結合してその作用を阻害し、さらに受容体量を低下させる。海外では250mgの投与量が抗エストロゲン治療を受けて再発または増悪した閉経後進行乳癌を対象に承認されている。しかし、より高用量の方が臨床効果が高いことを示唆する研究が報告され、今回の試験が実施された。

 フェーズ2試験はFIRST(Fulvestrant fIRst-line Study comparing endocrine Treatments)と名付けられた無作為化オープンラベル多施設臨床試験。進行乳癌患者のファーストライン治療としてアナストロゾール1日当たり1mgを投与した群(103人)と毎月14日目に500mgのフルベストラントを投与(最初の月だけ0日目と14日目と28日目に投与)した群(102人)を比較した。

 投与は病勢が進行するか中止を必要とするイベントが起こるまで続けられた。主要評価項目は、完全奏効(CR)、部分奏効(PR)、24週間以上の安定状態(SD)の患者の率をあわせた臨床利益率。副次評価項目は奏効率、TTP、奏効期間(DoR)、臨床利益期間(DoCB)、忍容性だった。

 試験の結果、フォローアップ期間中央値が6.5カ月で、臨床利益率は高用量フルベストラント群が72.5%、アナストロゾール群が67.0%で同等だった。奏効率もフルベストラント群31.4%、アナストロゾール群31.1%と同等だった。TTP中央値はアナストロゾール群が12.5カ月だったのに対して、フルベストラント群は到達しておらず、ハザード比0.63(95%信頼区間0.39-1.00 p<0.05)でフルベストラント群で延長傾向がみられた。

 なお、DoRとDoCBも数値的にフルベストラント群で延長されていた。忍容性については、どちらの群も高く、両群の間で有意な差はなかった。