University FrauenklinikのH. Eidtmann氏

 ビスホスホネート製剤ゾレドロン酸は、アロマターゼ阻害剤(AI)治療に伴う骨量減少を抑制することが知られている。AI剤レトロゾールによる術後補助療法を行う患者を対象とした「ZO-FAST」試験で、骨量が減少してから投与するよりも、AI治療開始時からの投与が効果的であることが明らかになった。University FrauenklinikのH. Eidtmann氏(写真)が12月12日、サンアントニオ乳癌シンポジウムのオーラルセッションで発表した。

 ZO-FAST試験は、病期1期から3A期のホルモン受容体陽性乳癌で、骨塩量の指標Tスコアが−2以上の患者を対象に、レトロゾール投与開始時からゾレドロン酸も投与する群(先行投与群)と、骨量減少または病的骨折が認められてから併用する群(後行投与群)に無作為に割り付け、AI治療に伴う骨量減少の抑制効果を比較した。米国でも同様の試験「Z-FAST」が行われている。

 試験には欧州、アジア太平洋地域、中南米、エジプトの閉経後女性1065人が登録された。主要評価項目は、腰椎(L1-L4)骨塩量の変化、副次評価項目は36カ月での骨折発生率、病気再発までの期間、全生存、安全性とした。

 腰椎の骨塩量は、開始時と比較して36カ月の時点では、先行投与群で平均4.39%の増加に対し、後行投与群では4.9%の減少で、その差は9.29ポイントと有意に異なった(p<0.0001)。12カ月の時点でも差は5.27ポイント、24カ月では7.94ポイントと、年ごとにその差は大きくなっていた。股関節もほぼ同じ傾向を示し、36カ月目における先行投与群と後行投与群の違いは5.41ポイントだった(p<0.0001)。

 病的骨折は先行投与群で26人(5.0%)に、後行投与群は32人(6.0%)に認めたが有意な差ではなかった(p=0.502)。36カ月における病気再発は先行投与群で22人、後行投与群では40人、無病生存率は先行投与群の方が有意に改善していた(ハザード比は0.588、95%信頼区間0.361−0.959、p=0.0314)。有害事象は、すでに報告された安全性プロフィールとほぼ同じだった。

 このためEidtmann氏は、「ゾレドロン酸には抗腫瘍効果があり、早期乳癌患者の無病生存期間を延長させた可能性がある」とした。