米University Hospitals Case Medical CenterのHanspreet Kaur氏

 転移性乳癌で、ドセタキセル週1回投与とEGFRチロシンキナーゼ剤エルロチニブの併用で、抗腫瘍効果が確認された。フェーズ2臨床試験によるもので、米University Hospitals Case Medical CenterのHanspreet Kaur氏(写真)らが12月12日、サンアントニオ乳癌シンポジウムのポスターセッションで発表した。

 エルロチニブは、わが国では、切除不能な再発・進行性で、癌化学療法後に増悪した非小細胞肺癌を適応として承認されている。

 フェーズ2臨床試験は、4週置きにドセタキセル(35mg/m2)を週1回、3回静注し、エルロチニブは経口で毎日150mg投与した。抗腫瘍効果あるいは病勢安定まで継続し、その後、エルロチニブの単独投与を行った。

 2002年12月から2006年8月までに39人が登録された。追跡期間中央値は21.8カ月(2.7〜62.5カ月)、ドセタキセルとエルロチニブの併用は中央値で4サイクル(1〜26サイクル)、エルロチニブの単独投与は11サイクル(2〜18サイクル)行われた。

 評価が可能だった29人において、部分奏効は11人(39%)、安定4人(14%)、進行14人(48%)だった。無増悪生存期間(PFS)中央値は8カ月(95%信頼区間4.4‐12.2カ月)、生存期間(OS)中央値は23.9カ月(同19.4‐39.8カ月)だった。

 EGFRステータス別では、EGFR陰性の部分奏効は55.6%(5人/9人)、EGFR陽性では18.8%(3人/16人)だったが、有意差はなかった(p=0.058)。一方、ER/PRでは、ER/PR陽性(18人)の方が、ER/PR陰性(8人)に比べ、PFSもOSも有意に改善していた(p=0.015)。

 グレード4の有害事象は、低ナトリウム血症が1人、心膜炎が1人、好中球減少が2人に見られ、グレード3では、白血球減少が14人(36%)、下痢が7人(18%)、疲労が6人(15%)、食欲不振が5人(13%)などだった。

 これらの結果から、Kaur氏は「ドセタキセルとエルロチニブによる併用療法は、良好な抗腫瘍効果を示し、転移性乳癌に対する治療として有望である」とし、「今後、ER陽性患者を対象に、ドセタキセル単独投与と比較する無作為化臨床試験が必要である」とした。