英Royal Marsden NHS Foundation Trust & Institute of Cancer ResearchのJohnston S氏

 ホルモン受容体陽性かつHER2陽性閉経後転移性乳癌ラパチニブレトロゾールを併用投与すると、レトロゾールを単独投与するよりも無増悪生存期間が有意に延長できることが明らかとなった。HER2陽性閉経後転移性乳癌患者を対象にファーストラインとしての応用を目指したフェーズ3臨床試験EGF30008の結果、示されたもの。12月12日、サンアントニオ乳癌シンポジウムのオーラルセッションで英Royal Marsden NHS Foundation Trust & Institute of Cancer ResearchのJohnston S氏(写真)によって発表された。

 EGF30008試験は1286人の閉経後ホルモン受容体陽性進行乳癌患者を1日当たりラパチニブ1500mgとレトロゾール2.5mgを投与する群とレトロゾールとプラセボを投与する群に分けて行われた。HER2の状態は無作為化には利用されなかったが、試験の解析の際には、HER2の状態とホルモン受容体の状態で評価した。

 独立した中央解析委員会の調べで219人の患者がHER2受容体陽性であることが判明した。その結果、ホルモン受容体陽性でHER2陽性の患者では無増悪生存期間中央値がラパチニブとレトロゾールの併用療法群の方で8.2カ月に対し、レトロゾール単独投与群では3.0カ月と併用群の方が有意に優れていた(ハザード比0.71、p=0.019)。HER2受容体の状態に関わりなく全患者で解析した結果、ラパチニブとレトロゾール併用群は平均で、病状が進むまでの期間が11.9カ月とレトロゾール単独のみの10.8カ月を1カ月延長させた(ハザード比0.86、p=0.026)。

 多く見られた副作用は、下痢、皮疹、吐き気、関節痛、倦怠感だった。グレード3/4の副作用で2%以上の患者で発現したのは、下痢(併用群で9%、単独群で1%未満)、倦怠感(併用群で2%、単独群で1%未満)、ALTの上昇(併用群で2%、単独群で1%未満)、ASTの上昇(併用群で2%、単独群で1%未満)だった。