イタリアIstituto Nazionale Tumori のAngelica Fasolo氏

 mTOR阻害剤であるRAD001(everolimus)は、HER2過剰発現転移性乳癌において、ビノレルビントラスツズマブの併用で、忍容性および抗腫瘍効果が認められた。フェーズ1臨床試験で明らかになったもので、イタリアIstituto Nazionale Tumori のAngelica Fasolo氏(写真)らが12月12日、サンアントニオ乳癌シンポジムのポスターディスカッションで発表した。

 試験は、HER2過剰発現転移性乳癌で、トラスツズマブが無効となった患者を対象に、RAD001を毎日投与する群(1日当たり2.5mg、5mg、10mg)と毎週投与する群(20mg、30mg、50mg、70mg)に分けた。

 ビノレルビンは3週置きに25mg/m2を1日目と8日目に静注し、トラスツズマブは1日目に4mg/kg、その後は2mg/kgを毎週静注投与した。治療は、進行または重度な毒性が生じるまで継続した。

 すべての患者がトラスツズマブとタキサン系抗癌剤による治療を経験しており、アントラサイクリン系抗癌剤は89%が、ラパチニブは19%の患者が投与を受けていた。前治療の回数は中央値で5回(1〜10回)だった。

 今回は5mg/日群(17人)、20mg/週群(6人)、30mg/週群(14人)の結果が報告された。全体の病勢コントロール率(CR+PR+SD)は79%、クリニカルベネフィット率(CR+PR+6カ月以上のSD)は50%だった。5mg/日群では、完全奏効(CR)は1人、部分奏効(PR)は2人、病勢安定(SD)が9人、進行(PD)が3人だった。20mg/週群は、PRが1人、SDが3人、PDが2人で、30mg/週群は、PRが2人、SDが9人、PDが2人だった。

 主な有害事象は好中球減少と口内炎で、有害事象によるRAD001の減量が5mg/日群では4人、30mg/週群では1人で、服用の中断が5mg/日群で9人、20mg/週群で1人、30mg/週群は4人に行われた。

 5mg/日群において、用量制限毒性として、グレード3/4の好中球減少、グレード3の口内炎、グレード3の疲労、グレード3の食欲不振が認められた。30mg/週群では、用量制限毒性はグレード3/4の好中球減少のみだった。20mg/週群では用量制限毒性は見られなかった。このため、RAD001の30mg/週は投与可能なレジメンと結論した。5mg/日については、さらに検討するという。

【訂正】12月15日、以下を訂正しました。
・記事中、一部に「トラツズマブ」との表記がありましたが、「トラスツズマブ」の誤りでした。訂正します。