米Dana Farber Cancer InstituteのBurstein HJ氏

 ErbB1EGFR)とErbB2(HER2)、ErbB4を不可逆的に阻害する製剤であるNeratinibHKI-272)がHER2遺伝子が増幅した進行乳癌の新しい治療薬になる可能性が明らかとなった。2アームで行われたフェーズ2臨床試験の結果示されたもの。成果は米Dana Farber Cancer InstituteのBurstein HJ氏(写真)が12月12日、サンアントニオ乳癌シンポジムのオーラルセッションで発表した。

 フェーズ2臨床試験は、3B期、3C期、4期のHER2遺伝子増幅進行乳癌患者を対象に行われた。被験者は、6週間以上前にトラスツズマブによる治療を受けたことのある患者群(アームA、66人)とトラスツズマブやHER2を標的とした薬剤による治療を受けたことのない患者群(アームB、70人)に分けられた。患者の年齢中央値は50歳(31‐83)で、患者登録は2007年11月に完了した。主要評価項目は16週時点の無増悪生存率で、副次評価項目は、無増悪生存期間、奏効率、臨床利益(完全奏効、部分奏効、24週以上の安定状態)率、副作用だった。

 127人の患者(アームA61人、アームB66人)が独立した委員会によって、効果の評価が可能とされた。16週間時点での無増悪生存率は、アームAが60%(95%信頼区間46‐72)、アームBが77%(64‐86)だった。無増悪生存期間中央値はアームAで23週間(95%信頼区間16‐39)で、アームBで40週(95%信頼区間32‐55)だった。奏効率はアームAが26%(95%信頼区間16‐39)、アームBが56%(95%信頼区間43‐68)だった。部分奏効がアームAでは26%、アームBでは56%の患者に認めた。臨床利益率はアームAが36%(95%信頼区間24‐49)、アームBが68%(95%信頼区間56‐79)だった。

 薬剤に関連した副作用(全てのグレードが対象)は、下痢(アームAの97%、アームBの69%)、吐き気(アームAの42%、アームBの30%)、腹痛(アームAの30%、アームBの9%)、嘔吐(アームAの26%、アームBの31%)などだった。下痢が5%以上の患者で発生した唯一のグレード3以上の副作用でアームAでは30%、アームBでは13%に発現した。投与量の減量が全患者の28%(アームAの38%、アームBの18%)で行われたが、ほとんどが下痢によるものだった。投与中止の主な理由は、病状の悪化(65%)と副作用(7%)などだった。