トリプルネガティブ乳癌に対して、ポリ(ADP-リボース)合成酵素(PARP)の阻害剤BSI-201ゲムシタビン/カルボプラチンを併用投与することが安全性に問題ないことが明らかとなった。米Baylor Sammons Cancer CenterのJ.O'Shaughnessy氏が12月12日、サンアントニオ乳癌シンポジムで発表した。

 PARPは、細胞増殖とDNA修復に重要な役割を果たしている酵素。BSI-201はPARP-1の阻害する。トリプルネガティブ乳癌では、PARP-1遺伝子発現が正常な乳房組織に比べて高まっていることが明らかとなっており、BSI-201への期待が持たれている。

 フェーズ2試験は、18歳以上で、転移性乳癌に対する受けた化学療法が2レジメン以下のエストロゲン受容体陰性、プロゲステロン受容体陰性、HER2陰性の患者を対象に行われた。患者は無作為にゲムシタビン/カルボプラチンにBSI-201を併用投与される群と、ゲムシタビン/カルボプラチンのみの群に割り付けられた。21日を1サイクルとして、1日目と8日目にゲムシタビン1000mg/m2とカルボプラチン2AUCが投与された。BSI併用群では週2回(1日目と4日目、8日目と11日目)に5.6mg/kgを投与された。6週置きに抗腫瘍効果が調べられた。病状が進行した患者は、BSI-201を併用投与に切り替えられた。また組織試料を用いてPARP-1を含む癌関連遺伝子の発現解析が行われた。

 現在までに89人の患者が登録され、最長で12サイクルまで投与を受けた。ゲムシタビン/カルボプラチン群には39人(年齢中央値53歳)、ゲムシタビン/カルボプラチン/BSI-201群にも39人(年齢中央値54.5歳)が登録され、患者背景は両群で同様だった。

 安全性の評価は、ゲムシタビン/カルボプラチン群33人、ゲムシタビン/カルボプラチン/BSI群23人で行われた。ゲムシタビン/カルボプラチン群と比べて、ゲムシタビン/カルボプラチン/BSI群では特に多い副作用はなく、同等で、患者は投与に十分に耐えることができた。両群とも多い副作用は貧血、好中球減少症、血小板減少症、白血球減少症、倦怠感、吐き気、嘔吐、便秘だった。

 バイオマーカーの解析では、PARP-1遺伝子の発現が患者で高まっていることが確認された。

■訂正
・2009年6月3日に以下の修正をしました。
 発表者の写真が間違っておりましたので削除しました。大変、ご迷惑をおかけしました。お詫びいたします。