Henning T. Mouridsen氏

 乳癌術後補助療法として、タモキシフェン(TAM)とアロマターゼ阻害剤(AI)であるレトロゾール(LET)の効果を比較した大規模フェーズ3臨床試験「BIG1-98」の最終的な解析結果が12月11日、Henning T. Mouridsen氏(写真)により、サンアントニオ乳癌シンポジウムのオーラルセッションで発表された。

 BIG1-98試験は、単独投与のみの試験と、逐次投与を含めた4群による試験の2つで構成されている。

 単独投与のみの試験では、1998年から2000年に1828人が登録され、TAMを5年間投与する群(TAM群)とLETを5年間投与する群(LET群)に割りつけられた。4群の試験は、1999年から2003年に6182人が登録され、TAM5年間投与群とLET5年間投与群、TAM2年間投与後、LETを3年間投与する群(TAM→LET群)、さらにLET2年間投与後、TAMを3年間投与する群(LET→TAM群)の4群で比較された。

 これまでに、追跡期間中央値26カ月と51カ月の時点で行われた解析報告で、LET群の方がTAM群に比べて無病生存率(DFS)と遠隔再発までの期間(TTDR)が有意に改善することが報告されている。

 今回は、LET群とTAM群を比較した追跡期間中央値76カ月の解析結果が報告され、LET群はTAM群に比べ、再発リスクを有意に12%減少させ(ITT解析 p=0.03)、 遠隔再発のリスクを有意に15%減少させることが確認された(ITT解析 p=0.05) 。 また、LET群はTAM群と比べ、統計学的有意差は無いものの(ITT解析、p=0.08)、死亡のリスクを13%減少させることも報告された。

 一方、本試験ではTAM群の25.2%がその投与期間中にLET投与に切り替えられており、これらの症例(619人)を除いたセンサード解析では、LET群はTAM群に比べ、有意に死亡のリスクを19%減少させることも公表された(95%信頼区間0.69-0.94)。

 さらに、LET群とTAM→LET群の比較と、LET群とLET→TAM群の比較についても報告があった。

 追跡期間中央値71カ月では、TAM→LET群のDFSは、LET群に対し、ハザード比が1.05(95%信頼区間0.84-1.32)であり、LET→TAM群とLET群の比較では、DFSのハザード比は0.96(95%信頼区間 0.76-1.21)であった。

 DFSにおいてLET群対TAM→LET群、LET群対LET→TAM群ともに統計学的な有意差は検出されなかったが、LETから投与を開始した症例になんらかの不都合が生じた場合にTAMに切り替えても大きな不利益はないことが示唆された。

 これらの結果から、Mouridsen氏は「ホルモン術後補助療法は、特に早期再発のハイリスク患者では、まずはレトロゾールから投与を開始すべきである」と総括した。