生体外ex vivo)で形成させた毛細血管を生体に移植することで、虚血部位において早期の血流回復が可能であることが報告された。東京医科歯科大学歯学部分子細胞機能学分野の赤堀太一氏らの研究によるもの。成果は11月29日、第15回日本血管生物医学会・学術集会での一般口演で発表された。

 赤堀氏らは、まず、ウシ血液中の単核球を培養し、血管内皮前駆細胞を分離。特殊なガラス基盤とマトリックスを用いて、この前駆細胞を管腔状の毛細血管構造にすることに成功した。このex vivoの操作は、免疫源性を抑制させたシート上のヒト羊膜上で行っているという。次に、この毛細血管構造の細胞を、ヒト羊膜のシートごとマウス皮下に移植し、移植した血管により、虚血が回復するかどうかなどを観察した。

 その結果、移植した毛細血管構造の細胞は正着し、管腔状態を維持すること、かつ、その管腔内にマウスの赤血球が流れ、早期の血流回復に貢献していることを確認した。加えて、赤堀氏らは、ヒトの単核球を培養し、管腔状の毛細血管構造にすることにも成功しているという。

 今回、赤堀氏らは、単核球の培養3週間目に現れる血管内皮前駆細胞を用いて管腔状の毛細血管構造を作ることに成功している。ただし、培養5日目に現れる血管内皮前駆細胞では、管腔状構造を作ることはできなかったという。

 そのため、今回の技術は、やけどや褥瘡、糖尿病による皮膚剥離などの疾患で、自分自身の細胞を3週間程度培養する時間が持ている患者を対象に臨床応用したい考えだ。

【訂正】 12/4に以下の点を訂正しました。
・赤堀太一氏の肩書きは「東京医科歯科大学歯学部分子細胞機能学分野」でした。お詫びして訂正します。