前立腺癌に対する放射線照射療法が広まるにつれて、限局癌以外にも適応を拡大していこうとの動きが広がってきている。東京慈恵会医科大学泌尿器科の三木健太氏はこれに対し、自らの治療上の工夫を紹介した上で、被膜外進展といったハイリスク患者への適応拡大は、合併症の増加などを伴うため、慎重であるべきだと、4月25日から27日に横浜市で開催された日本泌尿器科学会で強調した。

 三木氏は、治療計画を立てる際のポイントとして、処方線量と治療範囲(マージン)の設定を挙げた。処方線量は144Gy、マージンは頭尾側3mm、直腸側2mm、腹側2mmで設定し、尿道や直腸にかかる線量ができるだけ少なくなるようにしているという。三木氏は、「うまく端に線源を配置するのが難しく、高い技術が必要。事前にパソコンでシミュレーションを行うが、線量分布は実際には、計画よりも低くなってしまうことが多い」と話した。

 さらに、2003年10月から2004年9月に実施した小線源治療50例(平均年齢68歳)についてまとめたデータを紹介した。内分泌療法との併用が25例、放射線外照射との併用が7例だった。有害事象として、尿意切迫感が36例に、直腸出血が18例にみられた。

 三木氏は、「外照射との併用は、直腸炎の増加につながるとの意見もあり、議論が多い。われわれは、今年4月から小線源療法とアジュバントホルモン療法の上乗せ効果を検証するSHIP0804試験を始めた。対象は、中間リスク群に分類される前立腺癌患者で、3年間で420例の登録を目指している。このランダム化比較試験の結果が出るまでは、有害事象などへの十分な配慮が必要」とまとめた。