全身状態が悪く腎摘出術が難しい遠隔転移のある腎細胞癌患者にインターフェロンα(IFNα)の術前投与が有効である可能性が小規模の臨床研究で明らかとなった。成果は4月25日から27日に横浜市で開催された日本泌尿器科学会で北海道大学大学院医学研究科腎泌尿器外科の佐澤陽氏によって発表された。

 研究に参加したのは20人で、年齢中央値62歳(37-79)、男性が13人、多臓器転移が11人単発臓器転移が9人だった。下大静脈内腫瘍血栓が8人で、Motzerのリスク分類では全例がpoor-riskとされていた。20人の患者に術前補助療法としてIFNを3カ月から18カ月投与した。併用薬としてはcox-2阻害剤が9人、デキサメタゾンが7人、シメチジンが5人だった、で観察期間の中央値は12カ月(3-74)で、非腎摘群11人は3カ月から6カ月後に転移巣が増悪した患者で、癌死が8人で癌あり生存が3人だった。5カ月から18カ月後に転移巣が完全奏効(CR)、部分奏効(PR)、不変(NC)だった9人は腎摘出を行った。9人中4人は癌なし生存(15カ月から39カ月)に成功しており、2人が癌あり生存(37カ月と74カ月)、2人が転移によって癌死した。

 全体としての50%生存期間は34カ月で、非腎摘出群の50%生存期間は7カ月、腎摘出群の50%生存期間は42カ月だった。

 研究グループでは、現在までの結果をふまえて、遠隔転移を有する腎癌で全身状態が悪く、腎摘出術の侵襲が大きい患者には、術前IFN治療で遠隔転移のコントロールを試み、6カ月から12カ月後に評価し、転移巣が増悪でない場合に腎摘出を行なう方針をとっているという。