尿路上皮癌の術後補助療法としてシスプラチンゲムシタビンの併用療法が有効である可能性が明らかとなった。小規模の臨床研究の結果が、4月25日から27日に横浜市で開催された日本泌尿器学会で和歌山県立医科大学医学部泌尿器科の藤井令央奈氏が発表した。

 研究グループは、尿路上皮癌(膀胱癌8人、腎盂尿管癌12人)の術後補助療法として、シスプラチン、ゲムシタビンの併用投与を行った。投与方法は4週間を1コースとして原則3コース行った。ゲムシタビンは1000mg/m2を1日目、8日目、15日目に投与しシスプラチンは2日目に70mg/m2を投与した。1日目、2日目のみ入院で施行された。

 膀胱癌患者は、全例男性で年齢中央値が71歳(40から79)で全例グレード3、ステージはT3aが5人、T4aが3人、N0が4人、N1が3人、N2が1人だった。全員で膀胱全摘を行い、フォロー期間中央値は22.5カ月(11―56)だった。その結果T3aN2の1人が癌死し、癌なし生存は5人となった。1年全生存率は83.3%、3年全生存率は66.7%、3年疾患特異的生存率は80.0%、3年非再発率は87.5%となった。

 一方、 腎盂尿管癌患者12人は、10人が男性で年齢中央値が71歳(53から81)でグレード2が3人、グレード3が9人、ステージは全員がT3、N0が11人、N1が0人、N2が1人だった。全員で腎尿管全摘除術を行い、フォロー期間中央値は35カ月(14から63)だった。その結果、1年全生存率は91.7%、3年全生存率は81.5%、3年非再発率(膀胱内再発除く)は91.7%、3年非再発率(膀胱内再発のみ)は54.7%となった。

 治療関連死は認められず、グレード3の好中球減少、貧血が5人に、血小板減少が人に見られたが、グレード4以上の副作用はなかった。