第3世代アロマターゼ阻害剤が登場した2000年以降、ホルモン感受性閉経後再発乳癌の予後が改善している可能性が明らかとなった。5月15日から17日に長崎市で開催された日本外科学会で、国立病院九州癌センター乳腺科の山口博志氏(現済生会唐津病院)が発表した。山口氏は「新しい武器を手に入れるということの重要性を示したものだ」と語った。

 同氏は九州癌センターで1978年から2005年までに治療を受けた8320人のうち、再発が確認された1392人、このうちホルモン受容体陽性が確認された閉経後再発乳癌患者324人のデータを基に解析を行なった。

 324人のデータを1999年以前に再発した群(230人、前期群)と2000年以降に再発した群(94人、後期群)に分け、各因子別に両群の累積生存率を比較した。乳癌の再発確認日から死亡・最終生存確認日までを全生存期間とし、カプラン・マイヤー法を用いて生存期間を算出、log-rank testを用いて比較した。前期群と後期群で年齢や腫瘍径、無病再発期間などに大きな差はなかった。

 解析の結果、後期群の方が有意に生存率が高かった。3年生存率は前期群で40.4%、後期群で59.2%だった。また、無病再発期間別の累積生存率を比較したところ、無病再発期間が2年以内では前期群(99人)と後期群(63人)に差はなかったが、無病再発期間が2年以上で分類すると前期群(85人)に比べて後期群(28人)の方が高かった。さらに内臓転移の有無で分類したところ、内臓転移があった場合には、前期群(85人)と後期群(28人)に差はなかったが、転移がなかった場合には前期群(82人)よりも後期群(61人)の方が累積生存率が高かった。