HER2受容体が陰性で内分泌療法が無効な転移・再発乳癌に対するファーストラインとして、カペシタビンパクリタキセルの併用療法が有効である可能性が明らかとなった。5月15日から17日に長崎市で開催されている日本外科学会で、併用療法の有効性と安全性を検討するフェーズ2臨床試験の中間報告がなされ、高い奏効率と高い安全性が示されたもの。Chubu Breast Cancer Research Groupを代表して名古屋医療センター外科の佐藤康幸氏によって発表された。米国でも同様のレジメンで50数%の奏効率が得られているとしており、最終結果に期待が持てそうだ。

 研究グループが進めている臨床試験は、対象はHER2陰性でエストロゲン受容体(ER)陰性かER受容体が陽性でも内分泌療法が無効の転移、再発乳癌患者。予定登録患者数は45人。主要評価項目は奏効率で、副次評価項目は無増悪生存、全生存、安全性だ。21日を1サイクルとして、カペシタビン1657mg/m2を1日目から14日、パクリタキセル80mg/m2を1日目と8日目に投与する。

 2008年3月現在で登録患者数は13人で、ER陽性が9人(内分泌施行が8人)、ER陰性が4人。評価病変は肝+肺が2人、肝が4人、肺が1人、リンパ節4人、胸壁2人だった。

 投与の結果完全奏効(CR)が1人(胸壁患者)、部分奏効(PR)が7人(肝+肺が1人、肝2人、肺1人、胸壁1人、リンパ節2人)、不変(NC)が3人(肝2人、リンパ節1人)となり奏効率は61.5%となった。効果発現までの期間は比較的早いという。またER陰性、プロゲステロン受容体陰性、HER2陰性患者にも有効なケースがあった。

 有害事象はグレード2以上のものは、グレード4の好中球減少が1人、グレード2の好中球減少が1人、グレード2の手足症候群が2人だった。各種支持療法によって副作用の軽減が可能で血液毒性によって1人のみが中止で、1人は減量によって治療継続し、PRを維持できた。