微量アルブミン尿を認める2型糖尿病患者の腎保護作用は、アムロジピンよりバルサルタンが上回るとしたSMARTShiga Microalbuminuria Reduction Trial)研究の最新解析を、滋賀医大内科学講座の柏木厚典氏が6月1日、第51回日本腎臓学会のLate -Breaking Clinical Trialsにおいて報告した。

 SMART研究は2型糖尿病患者の微量アルブミン尿に対する改善作用をバルサルタンとアムロジピンで比較した多施設共同無作為化試験である。アムロジピンでは18%アルブミン尿が増加したのに対し、バルサルタンでは32%低下し、2群間には有意差があった(p<0.001)。

 一方、到達血圧値別の解析では、アムロジピンは降圧した群のみアルブミン尿を改善したのに対し、バルサルタンのアルブミン尿改善作用には「降圧」と「降圧に依存しない作用」があることが昨年のDiabetes Care誌ですでに報告されている。

 今回新しく報告されたのは、SMART研究登録患者150例中、試験開始時にACE阻害薬を服用していた72例におけるPost-hoc解析のデータである。尿中アルブミンの変化をアルブミン/クレアチニン比(ACR)で比較すると、「バルサルタン+ACE阻害薬併用」群(34例)では26%減少したが、「アムロジピン+ACE阻害薬併用」群(38例)では増加傾向を示し、両群間の差は有意だった(p<0.01)。このことから、ACE阻害薬を併用している患者のみで比較しても、バルサルタンによる微量アルブミン尿改善作用はアムロジピンを上回っていたといえる。 

 なお、ACE阻害薬を併用していなかった76例で比較しても、バルサルタン単独群(39例)ではACRが39%低下したのに対し、アムロジピン単独群(39例)では逆に26%増加し、群間に有意差が認められた(p<0.01)。

 この結果に対しコメンテーターとして登場した東北大腎高血圧内分泌科の伊藤貞嘉氏は、全身血圧の影響を受けやすい傍髄質糸球体とは異なり、表層糸球体ではレニン・アンジオテンシン(RA)系による輸出細動脈収縮が糸球体高血圧を来す場合も多いとし、SMART研究では後者による微量アルブミン尿が多かったため、ARBが奏効したのではないかとコメントした。ただし、腎保護における積極的降圧治療の有用性が否定されたわけではないと注意も促した。