心血管系イベント抑制の観点から注目を集めている朝の家庭血圧だが、慢性腎臓病CKD)抑制においても重要であるようだ。東京医大腎臓内科の岡田知也氏らがステージ3以降のCKD患者137例を平均32カ月間追跡した結果である。第51回日本腎臓学会総会で発表した。

 対象は、2003年12月から2007年11月までの間、2年以上継続して家庭血圧を測定・記録していた外来受診中のCKD患者(ステージ3以降)137例。平均年齢は64.8歳、血清クレアチニンは2.21mg/dL、推算糸球体濾過率(eGFR)は27.3mL/分/1.73m2だった(MDRD)。

 朝の家庭血圧の推移を見ると、137.0/78.9mmHgから36カ月後は132/75.1mmHgまで有意に低下していた(p<0.001)。

 次に朝の家庭血圧における到達収縮期血圧(SBP)別にGFRの変化を比較すると、SBP「135mmHg以上」、「130〜134mmHg」に比べ、「125〜129mmHg」、「125mmHg未満」まで低下した群ではGFR低下率が有意に少なかった。

 そこでSBPが「130mmHg以上」と「未満」にわけてGFR低下率を比較した。朝の家庭血圧で分けると上記のとおりGFR低下率は「未満」群で有意に低くなるが、夜の家庭血圧や外来血圧では130mmHgの上下でGFR変化率に有意差は認められなかった。

 GFRの変化率の予知因子を探るべく単変量、多変量解析を行ったところ、糖尿病性腎症(対非糖尿病性腎症)、朝の家庭SBP、尿蛋白量の3つが有意な因子だった。
 
 これらより岡田氏らは「朝の家庭SBPは腎機能低下と強く関連する。家庭血圧測定はCKD管理においても重要だ」と結論した。