滋賀医大内科学講座の津田安都子氏

 2型糖尿病患者の早朝高血圧夜間降圧障害(non-dipper)には、それぞれ内臓脂肪の蓄積と食塩過剰摂取が関与している可能性を、滋賀医大内科学講座の津田安都子氏(写真)らが5月31日、第51回日本腎臓学会で報告した。2型糖尿病患者78例を対象としたコホート研究の結果である。

 対象としたのは滋賀医科大学附属病院の糖尿病経過外来において、24時間自由行動下血圧測定(ABPM)を行なった2型糖尿病78例。早朝高血圧とnon-dipperの頻度と規定因子を検討した。

 背景因子は、平均年齢が66歳、糖尿病罹患期間が平均16.5年、BMI平均値が24.4kg/m2、腹囲は男性90.3cm、女性91.0cmであった。平均HbA1cは7.2%、尿中ナトリウム排泄量は平均203mmol/日(食塩摂取換算で12g/日)で、塩分制限が不十分な状態であった。一方、65.4%(51例)が降圧薬を服用し、うち35例はレニン・アンジオテンシン(RA)系抑制薬だった。糖尿病治療は2例を除き全例行なっており、28例ではインスリン治療が導入されていた。

 24時間平均血圧値、日中血圧値、夜間血圧値はいずれも外来血圧値と有意な正の相関を示したが、早朝SBP(起床後2時間平均値)と外来SBPにおいては、相関が認められなかった。また「外来SBP<140mmHgかつ早朝SBP≧135mHg」を早朝高血圧とすると、38例(49%)が早朝高血圧に相当した。早朝血圧値は146/82mmHgと外来血圧値(134/73mmHg)よりも高く、その差は有意だったという。

 早朝高血圧の規定因子を多変量解析で求めると「腹囲増大」のみが有意な因子であったことから、2型糖尿病の中でも、特に肥満者では早朝高血圧に注意を払う必要があることが示された。

 また、non-dipperの定義を「夜間SBP/日中SBP比>0.9」とすると、32例(41%)が相当した。「高血圧患者におけるnon-dipperの頻度は一般的に30%程度といわれており、糖尿病患者では夜間降圧が障害されている可能性がある」と津田氏は述べた。

 non-dipperの有意な規定因子は示されなかったが、津田氏らは尿中ナトリウム排泄量が、有力なリスク因子(オッズ比:1.14、95%信頼区間:0.996〜1.300)とみている。
 
 「2型糖尿病では内臓肥満と食塩過剰摂取が早朝血圧上昇や夜間降圧障害などをもたらし、腎・心血管系リスクを増大させている可能性がある」と津田氏らは結論した。