■ 濾胞性リンパ腫

 低悪性度リンパ腫である濾胞性リンパ腫では、限局期に対しては病変部放射線治療を行うが、進行期に対しては「R-CHOP療法が準標準的治療」(鈴宮氏)と位置づけられている。

 また濾胞性リンパ腫においても、イブリツモマブによる地固め療法で部分寛解から完全寛解へ転化し、無治療群に比べて、無増悪生存期間が有意に延長することが、第形衫彎音邯魁FIT試験)で示された。イブリツモマブが濾胞性リンパ腫の標準的治療の1つになるかどうか、今後の成果が待たれる。

■ ホジキンリンパ腫

 非ホジキンリンパ腫に比べて治癒する率が高いホジキンリンパ腫でも、限局期には化学療法(ABVD療法:アドリアマイシン+ブレオマイシン+ビンブラスチン+ダカルバジン)と局所放射線治療が標準治療となっており、進行期ホジキンリンパ腫に対しては化学療法のみとなっている(下図参照)。

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 また血清アルブミン値やヘモグロビン値など7つの因子からなる国際予後スコア(International Prognostic Score;IPS)で、IPSが4以上の予後不良な患者に対しては、BEACOPP療法(ブレオマイシン+エトポシド+ドキソルビシン+シクロホスファミド+ビンクリスチン+プロカルバジン+プレドニゾン)も有用性の高いことが報告されている(N Engl J Med 2003; 348: 2386-95)。しかし標準治療として確立されたものではなく、今後の臨床試験の結果が待たれる。

 このほか準標準治療として、バーキットリンパ腫には短期集中的治療CODOX-M/IVAC療法、ヘアリー細胞白血病にはクラドリビン、胃マルトリンパ腫の限局期ではH.pylori菌の除菌も有効性が示されているという。慢性リンパ性白血病にはフルダラビンが用いられているが、11カ国203カ所で実施されたCLL8試験では、フルダラビンとシクロホスファミドによる化学療法にリツキシマブを併用したほうが、化学療法のみの群に比べて、無増悪生存期間が延長することが報告されている。また、リンパ芽球リンパ腫では急性リンパ性白血病に準じた治療が行われているが、「必ずしも成績がよいわけでなく、今後の課題である」と鈴宮氏はいう。

 このように、標準的治療が確立しているのは、B細胞性リンパ腫だけであり、「T細胞性リンパ腫に対しての標準治療は確立していない」。成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)に関しては、JCOG によるLSG15療法(VCAP/AMP/VECP療法)が標準とされているが、年齢や患者の状態で施行できる患者はあまり多くない。多数ある悪性リンパ腫の中で標準的治療が見えてきたのはまだほんの一部。「取り残された患者をどう治療するか、まだ手付かずの状態だ。今後やるべきことは多い」と鈴宮氏は語った。