葉酸代謝拮抗剤で悪性胸膜中皮腫治療薬のペメトレキセド(商品名「アリムタ」)の薬剤性間質性肺炎(ILD)の出現率は、暫定的な数字ながら1%前後と推定されることが明らかになった。

 3月20日から21日に福岡市で開催された日本臨床腫瘍学会で、ペメトレキセド市販後全例調査における薬剤性間質肺炎のILDアドバイザリーボードの検討結果の第一報を、国立がんセンター中央病院の加藤晃史氏が発表したもの。加藤氏は、真の発生率を評価する段階ではないと前置きした上で、「薬剤性間質性肺炎は起きているけれども、発生率は高くない」と語った。ペメトレキセドの投薬の際には、ILDについて過敏になる必要はないが、十分に注意し、治療中の定期的な胸部CT評価が大切だと言えるだろう。

 ペメトレキセド市販後全例調査は2007年1月から2008年6月までの予定で行われているもので、観察期間は投与開始から6カ月、投与を中止した場合は最終投与から1カ月とした。ILDアドバイザリーボードは内科医(呼吸器、腫瘍)4人、放射線診断医2人、病理医1人から構成されている。ILDの疑いの報告が病院から行われると、その報告の詳細をアドバイザリーボードで毎月検討し、ペメトレキセドに関連したILDかどうかを判定する。

 調査は2008年3月14日現在で契約施設数361、累積登録患者数は749人となった。

 ILDの疑いとして報告されたのは13人で、このうち詳細な評価が6人について行なわれ、3人がペメトレキセドによる薬剤性ILDであると判定された。3人のうち1人が死亡した。そして残り7人中3人はペメトレキセドによるILDではないと分かっており3人がペメトレキセドによるILDの可能性があり、残る1人は検討中であるという。この結果、749人中多くて7人がペメトレキセドによるILDの可能性があることとなり、1%前後の発生率と推定された。

 発症予測因子は未確認だ。また、異常影が症状出現に先行し、投与により増悪したと考えられる報告があり、治療中の定期的なCT評価が早期発見に有用であることが示唆された。