進行膵癌に対するゲムシタビン単独化学療法の予後を予測する因子の研究が報告された。臨床においても予後予測因子として活用できる可能性がある。これは3月20日から21日に福岡市で開催された日本臨床腫瘍学会で、国立がんセンター東病院肝胆膵内科の清水怜氏が発表したもの。

 清水氏らの研究グループは、2001年4月から2006年3月にファーストライン化学療法としてゲムシタビンの投与を受けた転移を有する浸潤性膵管癌患者を対象に、背景因子をレトロスペクティブに解析した。病理組織学的に腺癌または腺扁平上皮癌が確認された比較的全身状態のいい患者だった。ゲムシタビンは28日間を1サイクルとして、1000mg/m2を1日目、8日目、15日目に投与された。投薬は、病態進行がなく、継続不可能な有害事象が認められない限り継続された。

 治療成功期間の中央値は2.57カ月(95%信頼区間1.73-3.41)で、奏効率は8.4%だった(95%信頼区間4.5-14.0)。全対象患者154人の生存期間中央値は5.70カ月(95%信頼区間4.59-6.81)。セカンドライン化学療法は33人で実施され、そのうちS-1単独が投与されたのは19人だった。

 患者背景の多変量解析の結果、有意な予後予測因子として、全身状態(PS)、CA19-9、LDH、肝転移、腹膜播種、Hbが同定された。このうち、PSが2、CA19-9が1000U/mL以上、LDHが230IU/Lの3種類の予後不良因子に限定して生存曲線を調べたところ、予後不良因子なしの群(61人)の生存期間中央値が7.13カ月だったのに対して、予後不良因子が1つの群(33人)で5.80カ月、予後不良因子2つ以上の群(60人)で2.97カ月と差が認められた。研究グループは臨床における予後予測に有用であるとともに、今後の臨床試験では層別化を考慮すべきとしている。