進行膵臓癌イリノテカンS-1を併用投与するIRIS療法が有効で、認容性も良好な可能性が示唆された。これは進行膵癌患者16人を対象としたパイロット臨床試験で、結果は3月20日から21日に福岡市で開催された日本臨床腫瘍学会で三沢市立三沢病院内科・化学療法科の設楽紘平氏によって発表された。

 研究グループは、ゲムシタビンを含まないファーストラインの治療法としてIRIS療法を使用し、ゲムシタビンをセカンドラインとして利用できる可能性、ゲムシタビン難治性の症例にIRIS療法が利用できる可能性があると指摘した。さらにIRIS療法の膵癌に対する効果を評価するために、症例数を増やしフェーズII試験を行う予定だという。

 パイロット臨床試験に参加したのは年齢中央値64歳(44〜79歳)の16人(うち男性9人)の転移性病変を有する切除不能膵癌患者。1日目から14日目までS-1を1日80mg/m2投与し、イリノテカンは100mg/m2を1日目と15日目に投与することを1サイクルとして4週おきに繰り返した。投与サイクル数の中央値は4回(1〜16回)で、全部で77サイクルの投与受けた。用量の減量は6人で行われ、イリノテカンを減量したのが4人、S-1を減量したのが2人だった。

 試験の結果、部分奏効(PR)が7人、安定状態(SD)が5人で奏効率は43.8%(95%信頼区間19.5-68.1)だった。ファーストラインとしてIRIS療法を受けた10人では、PRが5例、SDが2例で奏効率は50.0%、セカンドラインとしてIRIS療法を受けた6人ではPRが2人、SDが3人で奏効率は33.3%だった。16人のうち腫瘍マーカーCA19-9値が100U/mlだった13例で、CA19-9値が50%以上減少したのは8人、50%未満の減少が見られたのは2人、3人では増加した。増悪までの時間(TTP)の中央値は4.9カ月で、生存期間中央値は11.3カ月だった。

 75%にあたる12人で救援化学療法が行われ、ゲムシタビンは11人の患者で利用された。全経過を通じてゲムシタビンの投与が行われなかったのは1人のみだった。

 副作用は、グレード3の白血球減少が3人、グレード4の白血球減少が1人、グレード3の好中球減少が4人、グレード4の好中球減少が1人、グレード3の貧血が1人で見られた。また、グレード3の食欲不振が3人、グレード3の吐き気が1人、グレード3の倦怠感が2人、グレード3の下痢が1人で見られた。