切除不能の進行再発大腸癌におけるベバシズマブのフェーズI臨床試験の最終結果が報告され、フルオロウラシル/アイソボリン(5-FU/I-LV)との併用で、忍容性ならびに化学療法既治療の患者に対する抗腫瘍効果も認められる結果となった。Bevacizumab臨床第I相試験共同研究グループが、福岡市で開催された第6回日本臨床腫瘍学会学術総会(3月20〜21日)で発表した。

 ベバシズマブ(商品名「アバスチン」)は、2007年4月に、治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌に対し、他の化学療法との併用で製造承認を取得している。2005年7月に行われた厚生労働省の第5回未承認薬使用問題検討会議で、早期申請が要請され、2006年4月、国内のフェーズI臨床試験と海外のフェーズII、フェーズIII臨床試験の結果を基に承認申請が行われていた。

 フェーズI臨床試験では、切除不能の進行再発大腸癌で、化学療法既治療の患者18例(年齢中央値は61歳)を対象に、ベバシズマブの単剤単回投与後、フルオロウラシル/アイソボリン(5-FU/I-LV)を併用した。

 まず6例を対象に、ベバシズマブ3mg/kgを単剤で投与し、3週間目以降は2週間ごとのベバシズマブ投与に加え、5-FU/I-LVを併用し、7週目で安全性を確認した。その後、同様に、ベバシズマブ5 mg/kgを6例に、ベバシズマブ10 mg/kgを別の6例に投与した。

 安全性確認の基準は、ベバシズマブによるグレード4の血液毒性あるいはグレード3以上の非血液毒性、あるいはベバシズマブとの因果関係が否定できない重篤な有害事象とし、これらの基準を満たす症例が33%未満の場合は次の投与量に移行するとした。その結果、3群とも、用量制限毒性 (DLT)は見られなかった。

 グレード3以上の有害事象は、高血圧が3例、イレウスが2例、下痢2例で、リンパ球数減少、血中リン減少、好中球減少がそれぞれ2例だったが、消化管穿孔や動脈血栓塞栓症は見られなかった。このため研究グループは、有害事象のプロフィールおよびその程度は海外の報告と大きな差はなかったとしている。また薬物動態も、海外データと類似した結果となった。

 抗腫瘍効果は、ベバシズマブ3mg/kg投与群では、PRが1例、SDが4例、PDが1例、5mg/kg投与群ではSDが6例、10mg/kg投与群ではPRが2例、SDが4例だった。また無増悪生存期間の中央値は310日、生存期間の中央値は680日だった。

 これらの結果から、研究グループは、「5-FU/I-LVとの併用では、2週間おきのベバシズマブ10 mg/kgの投与で、忍容性が確認された」と述べた。