抗血管内皮増殖因子VEGF)抗体ベバシズマブの効果を予測するバイオマーカーとして、骨髄由来の血管内皮前駆細胞(CEP)が有望であり、大腸癌化学療法では末梢循環大腸癌細胞(CTC)が有用であることが確認された。癌研究会有明病院化学療法科の松阪諭氏らが、3月20日から福岡市で開催された第6回日本臨床腫瘍学会学術総会で発表した。

 化学療法の効果を予測するバイオマーカーとしては、これまでに末梢循環大腸癌細胞(CTC:circulating tumor cell)や、末梢循環血管内皮細胞(CEC:circulating endothelial cell)、骨髄由来の血管内皮前駆細胞(CEP:circulating endothelial progenitor)が有用であるとの報告がある。

 研究グループは、進行大腸癌の標準療法であるFOLFOX4による化学療法を受けた患者30人、FOLFIRIによる化学療法を受けた患者13人、FOLFOX4にベバシズマブを追加した患者21人において、CTC、CEC、CEPの変化を分析し、治療効果との関連性を調べた。

 その結果、FOLFOX4あるいはFOLFIRIによる化学療法を受けた患者のうち、効果判定がPRあるいはSDだった患者では、末梢血7.5ml中のCTC数は2週目以降、減少したが、PDの患者では増加する傾向が見られた。また無増悪生存期間は、8〜12週目のCTC数が3未満の患者のほうが、3以上の患者に比べて、有意に長いことが示された(p=0.0048)。全生存率も、2週間目のCTC数が3未満のほうが、3以上の患者よりも高かった(p=0.054)。

 続いて、FOLFOX4にベバシズマブを追加した患者において、CEP量を分析したところ、PRあるいはSDと判定された患者は、PDの患者よりも、2週目以降、CEP量が高い傾向が見られた。一方、FOLFOX4投与群とFOLFOX4+ベバシズマブ群において、CECの数に有意な違いは認められなかった。

 これらのことから、研究グループは、「大腸癌化学療法にはCTCが、ベバシズマブではCEPが効果を予測する診断法として有用である」と結論付けた。