島根大学内科学の高橋伸幸氏

 減塩への意識の高さと実際の塩分摂取量には関連がなく、減塩意識が高いと思っている患者でも、実際の塩分摂取量が高値である場合が多い――。減塩意識と実際の塩分摂取量の関係について、島根大学内科学の高橋伸幸氏らが明らかにしたもので、その成果を10月26日まで大阪で開催されていた日本高血圧学会(JSH2013)で報告した。

 近年、高血圧患者に対する減塩指導が普及し、至適塩分摂取量は6g/日未満であるという認識が広まっている。高血圧患者やその家族にも、減塩に対する意識は浸透しているものと見られるが、減塩意識と実際の塩分摂取量がどの程度相関するかは、明らかにはなっていない。

 そこで高橋氏らは、同院外来に通院中の高血圧患者140人(平均年齢69.5±12.4、男性88人、女性52人)を対象に、減塩に関する意識調査と1日食塩摂取量の評価を行った。

 減塩意識については、日本高血圧協会の「塩を減らそうプロジェクト」のアンケート項目に準じて、「とても気を使っている」「まあ気を使っている」「あまり気を使っていない」「全く気を使っていない」の4段階で評価。1日食塩摂取量は、随時尿を用いた24時間尿ナトリウム排泄量から推定1日食塩摂取量を算出した。
 
 その結果、推定1日食塩摂取量の平均は9.92±2.65g/日と、推奨の1日6g未満を大きく超えていた。男女間に有意差は認めなかった。1日6g未満を達成している患者は3人にとどまった。

 減塩意識調査では、アンケートに回答した135人のうち、「とても気を使っている」が22人(16%)、「まあ気を使っている」が54人(40%)、「あまり気を使っていない」が41人(30%)、「全く気を使っていない」が18人(13%)だった。

 減塩意識と実際の摂取量の関係を見たところ、減塩意識調査の4つの群はいずれも推定食塩摂取量が10g/日程度で、4群間での有意差は認められなかった(P=0.473)。

 これらの結果から高橋氏は、「外来診療時に、高血圧患者に塩分摂取を控えるよう指導すると『気を付けている』と答える患者が多いが、実際には目標値の1日6g未満より摂取量がかなり多かった。意識が高いと思っている患者に対しても、積極的に食事指導などの介入を行っていく必要性がある」と結論した。また、「推定食塩摂取量を患者に示すことで、減塩への動機づけになるのではないか」と高橋氏は話している。