国立循環器病研究センター高血圧・腎臓科の大田祐子氏

 高血圧患者の食塩摂取量は高血圧専門外来患者の方が一般内科外来患者よりも少ないが、6g/日未満の目標達成率はいずれも低く、専門外来、一般内科ともに、食塩過剰摂取患者のかなりの人が自分の食塩摂取量は少ないと考えていることが分かった。10月24日に大阪で開幕した日本高血圧学会(JSH2013)で、国立循環器病研究センター高血圧・腎臓科の大田祐子氏が報告した。

 減塩に対する意識は全体としては高血圧専門外来患者の方が一般内科外来患者よりも高いものの、専門外来、一般内科外来を問わず、減塩意識が低い患者が多数に上ることを示す結果と言える。

 高血圧患者の食塩摂取量や減塩意識は高血圧専門施設と一般診療所では異なっている可能性がある。このため、大田氏らは、高血圧専門外来患者と一般内科外来患者における食塩摂取量と減塩意識について比較検討を行った。

 対象は、高血圧専門外来に通院中の高血圧患者330人(平均年齢69±12歳)と、一般内科開業医に通院中の高血圧患者200人(平均年齢67±11歳)とした。

 食塩摂取量の評価は、これらの患者の随時尿のナトリウム濃度およびクレアチニン濃度から、計算式を用いて食塩排泄量を評価することによって行った。また、自己記入アンケート方式の塩分チェックシートを用いて、食塩摂取の意識調査も行った。

 対象の外来収縮期血圧は高血圧専門外来130±16mg、一般内科外来129±16mmHgと同等だったが、2種類以上の降圧薬の使用頻度は高血圧専門外来患者の方が有意に高かった。

 尿中食塩排泄量は両群ともに幅広く分布していたが、平均排泄量は高血圧専門外来8.7±2.5g/日、一般内科外来9.3±2.5g/日であり、高血圧専門外来患者の方が有意に低値だった(P<0.01)。

 食塩排泄量の内訳は、6g/日未満が高血圧専門外来15%、一般内科外来6%、6〜10g/日未満がそれぞれ57%、62%、10g/日以上が28%、32%だった。6g/日未満の達成率は高血圧専門外来患者が有意に高かった(P<0.01)ものの、いずれも低い割合にとどまった。

 塩分アンケートの点数は、高血圧専門外来患者の方が一般内科外来患者に比して低く、塩分摂取量が多いと回答した頻度は、高血圧専門外来21%、一般内科外来30%と、高血圧専門外来患者の方が有意に低かった。

 ところが、食塩排泄量10g/日以上の食塩過剰摂取者における減塩意識の評価では、高血圧専門外来患者の28%、一般内科外来患者の23%が、自分の食塩摂取量は「少ない」と考えていた。摂取量が「平均」と回答したのはそれぞれ40%、29%、「多い」と回答したのは32%、48%だった。

 これらの結果から大田氏は、「高血圧専門外来患者の食塩摂取量は一般内科外来患者に比べて低値だったが、6g/日未満の達成率は低く、大部分の患者はガイドラインを遵守できていない。特に食塩過剰摂取患者における減塩意識が低かったことからみて、尿中食塩排泄量を定期的に測定しながら減塩指導する必要があると考えられる」と結論した。