福岡女子大学大学院の船元智子氏

 減塩レシピと塩味調味料のナトリウムの一部をカリウムで代替した新規減塩調味料を組み合わせることで、1日の食塩摂取量を4.5g未満に抑えられることが示された。日本高血圧学会減塩委員会の協力のもとで行われた研究の成果で、福岡女子大学大学院の船元智子氏らが9月22日まで名古屋で開催された日本高血圧学会(JSH2012)で報告した。

 船元氏らはまず、日本高血圧学会減塩ワーキンググループが作成した「高血圧患者さんのための減塩レシピ」をもとに、1日の食塩摂取量を6gに抑えるための調理の工夫について、献立の構成、調理法、食材・栄養の各視点から分析を行った。

 分析対象は、減塩レシピ2006年版の3食7日分の献立(料理にして85品目)と2011年版の3食7日分+弁当6日分の献立(料理にして111品目)だった。栄養価の計算を行い、献立構成、調理法、食材のそれぞれについて分析した。

 その結果、減塩レシピは、主食、主菜、副菜がそろったバランスのとれた献立構成になっており、焼き物や炒め物の焦げ風味を生かした料理法とするなど工夫されていた。また、うま味、酸味、香辛料などの活用によりナトリウム減が実現できており、野菜、海藻、茸、果物の使用によりカリウム増になっていることが分かった。

 次に、減塩レシピに用いられている調味料を新規減塩調味料で置き換えた場合の検討を行った。新規減塩調味料とは、NaCLの一部をKCLで代替し、極微量のポリグルタミン酸で味を調整した調味料で、塩、醤油、味噌、コンソメ、中華風スープの素がある。たとえば、新規減塩調味料の食塩は、食塩相当量が100g当たり45.97gでカリウムは2万7600mgだった。通常の食塩の場合は、それぞれ99.10g、100mgとなっている。

 減塩レシピをもとに、新規減塩調味料を使った場合と使わなかった場合で、献立14日分の1日当たり栄養価(平均±SD)を比較したところ、食塩相当量は非使用レシピでは6.16±0.59gだったものが、新規減塩調味料を使った場合は4.33±0.75gへ70.3%減少していた(P<0.001)。同様にカリウムは、3099±249mgに対して4093±292mgへ132.1%増加していた(P<0.001)。

 これらの検討結果から演者らは、「レシピの工夫と新規減塩調味料の組み合わせで、美味しさを損なうことなく、1日の食塩摂取量を4.5g未満に抑えることができ、カリウムも十分に摂取可能であることが分かった」と結論付けた。

(日経メディカル別冊編集)