会長を務める木村玄次郎氏(名古屋市立大学大学院医学研究科 心臓・腎高血圧内科学教授)

 第35回日本高血圧学会総会が9月20日、学会史上、初めての開催地となる名古屋で開幕した。今大会のテーマは「高血圧治療は究極の目標へ」。会長を務める木村玄次郎氏(名古屋市立大学大学院医学研究科 心臓・腎高血圧内科学教授)は、「巨視的にみれば、高血圧治療はほぼ完成の域に達している」との認識を示した上で、「将来に向かってどのようなポイントに焦点を当て学問をさらに進歩させる必要があるのか」を問いたいとの思いを込めた。22日までの3日間、会場となるウェスティンナゴヤキャッスルおよび名古屋能楽堂において、「究極の目標」の実現へ向けた議論が展開される。

 開会の辞で木村氏は、大会運営上の新機軸についても紹介した。たとえば、パソコンや携帯端末で操作可能な「Myスケジュール」(アプリ版、PC版)を用意し、オリジナルのスケジュール表や抄録集などを作成できるようにした。また、今大会から事前登録を取り入れるなど運用上の効率化を図ったという。

Myスケジュールのアプリ版

 プログラム上も「初めての試み」(木村氏)が随所にちりばめられている。第一線の医師による初めてのワークショップである「家庭医から見た高血圧治療の秘訣」もその1つ。視覚的に理解するためのビジュアル・セッションや必須の知識を確実に理解するための“丸わかり”セミナーも新たに設けられた。また、2日目に予定されている「男女共同参画プログラム」は、日本高血圧学会として初めて取り組む課題となる。

 木村氏は、文化的な側面にも気を配ったと話す。今大会の会場は名古屋城に隣接し、歴史的遺産の宝庫である「文化のみち」の起点ともなっている。時間が許せば、尾張徳川家の上級武士の武家屋敷の面影に触れ、豊田佐吉や福沢桃介などの旧邸を訪れることもできるという配慮だ。木村氏が「文化のみち」を強調するもう1つの理由は、今大会のポスターにも表れている。そこに表現されたイラストは、「文化のみちから出発し、究極の目標に向かって昇華するイメージをデザインした」(木村氏)ものだった。

今大会のポスター

 「文化のみちから世界へ、名古屋から日本発の情報を発信しよう」。こう呼びかけた木村氏は、「究極の目標が実現されるよう、活発な議論を期待したい」と締めくくった。

(日経メディカル別冊編集)