東京女子医科大学東医療センターの菊池朋子氏

 いつも揺れているように感じる地震酔い後揺れ症候群)は、都内の医療施設に通院する高血圧患者の6割近くに上り、睡眠障害も半数以上に認めたことが分かった。東京女子医科大学東医療センター内科の大塚邦明氏らの検討で明らかになったもので、同科の菊池朋子氏が10月22日まで宇都宮で開催されていた日本高血圧学会(JSH2011)で成果を報告した。

 対象は、2011年3月18日以降、東京女子医科大学東医療センター関連の3施設に通院中の182人(男性81人、女性101人)。平均年齢は65±15.4歳。外来受診時にアンケートを行い、地震酔い、入眠障害、熟眠障害、中途覚醒、早朝覚醒の有無について調査した。

 その結果、地震酔いは59.9%が「あり」と回答、睡眠障害も55.5%が「あり」と答えた。地震酔いあり群(109人)となし群(73人)別に、入眠障害の有無をみたところ、地震酔いあり群では33.0%に入眠障害が認められた。地震酔いなし群では15.1%であり、有意に地震酔いあり群で高いことが分かった(P=0.01)。熟眠障害、中途覚醒、早朝覚醒については、地震酔いあり群となし群では、有意差が見られなかった。

 次に震災後1カ月と3カ月の地震酔いの有無を比べたところ、1カ月では58%だったが3カ月では13%となり、有意に減少していた(P<0.01、n=131)。また、地震酔いの有無別にみた入眠障害の頻度は、1カ月では地震酔いありで有意に多かったが、3カ月では有意差は見られなくなっていた。

 これらの結果から菊池氏らは、都内でも震災後に多くの高血圧患者に地震酔いが出現し、また、入眠障害も増加していたことが分かったと結論。入眠障害の増加には、地震酔いの影響が少なからずあったことも認められると指摘した。

(日経メディカル別冊編集)