東京慈恵会医科大学の坂本昌也氏

 2型糖尿病合併高血圧患者では、収縮期血圧が高く、脈圧が大きい場合、血糖の日内変動が大きいことが明らかとなった。24時間自由行動下血圧測定(ABPM)と24時間持続血糖測定(CGM)を使った検討により示された。10月15日から福岡市で開催されている第33回日本高血圧学会総会で、東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科の坂本昌也氏が発表した。

 2型糖尿病患者は高血圧を合併することが多く、2つの疾患を合併しているとさらに予後が悪いことが示されている。近年、血糖コントロールの指標として血糖の平均値を示すHbA1cだけでなく、食後の高血糖や低血糖になっている時間を少なくして血糖の日内変動が少なくなるようコントロールすることが予後の改善に重要であると考えられるようになってきた。

 そこで坂本氏らは、腹部皮下に小型センサーを挿入して血糖を測定できる持続血糖モニター(CGM)と24時間自由行動下血圧測定器(ABPM)を用いて、血糖と血圧の日内変動を評価した。

 対象は東京慈恵会医大附属病院に入院中の高血圧合併2型糖尿病患者55例で、年齢は30〜70歳、HbA1cは6.5〜9%、糖尿病罹病歴は5〜30年。食後血糖値を大きく変えるような、インスリン、グリニド製剤、α-GI製剤は使用していない患者だ。運動強度も一定とし、6gの減塩食による食事療法を行っている。

 これらの患者に対し、連続2日間、ABPMとCGMを施行した。収縮期血圧値の24時間の平均値と血糖変動、収縮期血圧変動と血糖変動、拡張期血圧値の24時間平均値と血糖変動、拡張期血圧変動と血糖変動、脈圧と血糖変動、Dipper・Non-dipperと血糖変動の各項目について解析した。

 その結果、収縮期血圧の24時間平均値と血糖変動、収縮期血圧変動と血糖変動、脈圧と血糖変動に有意な相関関係が見出された。つまり、収縮期血圧が高ければ高いほど、また日内変動が大きいほど血糖の変動が大きく、脈圧が高いほど血糖の変動が大きいという結果だった。収縮期血圧130mmHg以上の患者において、夜間血圧が低下しないNon-dipper型を示す患者で血糖変動が大きい傾向も見出された。拡張期血圧については血糖の変動と相関関係は見出されなかった。

 坂本氏は、「収縮期血圧高値、脈圧が大きい患者は、血糖変動が大きく予後不良である可能性があることから、厳格な血圧コントロールが必要だと考えられる」と締めくくった。

(日経メディカル別冊編集)