愛媛大学大学院加齢制御内科学の永井勅久氏

 高齢の高血圧患者に対して、頭痛の有無やQOLの影響を調べた研究で、3割超の患者が頭痛をかかえており、その6割は治療を要する重症であることが示された。愛媛大学大学院加齢制御内科学の永井勅久氏らが、10月1日から3日まで滋賀県大津市で開催された第32回日本高血圧学会で報告した。

 永井氏らは、自院を含む6施設の参加を得て、中高齢の外来高血圧患者89人(平均74.3±8.6歳、女性47人)を対象として、アンケートによって頭痛の頻度と重症度を調査した。対象者の参加時の血圧は144.4±17.7/75.1±10.6mmHgだった。アンケートでは、片頭痛の鑑別や重症度評価を主な目的とした「片頭痛スクリーナー」と頭痛インパクトテストHIT-6)に準じた質問を行った。

 結果は、6例(6.7%:すべて女性)に片頭痛が、22例(24.7%:男性9例、女性13例)にその他の頭痛があった。

 片頭痛の有無と血圧の関連を調べたところ、収縮期血圧は片頭痛あり群で142.3±17.7mmHg、片頭痛なし群で144.6±17.8mmHgで有意差はみられなかった(p=0.77)が、拡張期血圧では、片頭痛あり群が81.5±5.6mmHg、なし群で74.6±10.8mmHgで、あり群が有意に高かった(p=0.03)。

 片頭痛ありの1例は片頭痛治療中だったため、この患者を除く片頭痛ありの5例とその他の頭痛あり群22例について、頭痛インパクトテストで重症度を比較したところ、片頭痛未治療群では64.2±9.1点だったのに対し、その他の頭痛群では49.6±8.4点で、片頭痛群が有意に重症だった(p=0.018)。治療を要する目安となる50点を超えた比率を比較すると、片頭痛未治療群は全員(100%)が50点以上だったのに対し、その他の頭痛群では、50%(11例)だった。

 本研究では降圧薬、NSAIDs、アスピリンなどの服薬と頭痛の関連についても調べたが、今回は明確な関係は得られなかった。

 永井氏は、「頭痛を主訴としない外来患者でも、アンケートを行うと頭痛を有していることがあった。高齢者には比較的少ないとされる片頭痛も一定の比率で存在していた。プライマリケアの場でも、頭痛に関する問診は必要ではないか」とした。


【訂正】
 本文中、第3段落に、「89例(31.5%:男性42例、女性47例)にその他の頭痛があった」とあったのは誤りで、正しくは、「22例(24.7%:男性9例、女性13例)にその他の頭痛があった」でした。お詫びして上記のとおり訂正します。