東北大学病院腎高血圧内分泌科の佐藤文俊氏

 高血圧症は全国で4000万人、そのうち少なくとも5%(200万人)は原発性アルドステロン症(PA)とされる。臓器障害の合併が多く予後不良な疾患だけに、早期発見・早期治療が重要。しかし1000人に1人程度の患者しか見つかっていないとされる。東北大学病院腎高血圧内分泌科の佐藤文俊氏は、「間違いでもいいから(患者を)送ってほしい」と実地医に呼びかけ、2007年から2008年の2年間で328人ものPA患者を確定診断した。この成果は、10月1日から3日まで滋賀県大津市で開催されている第32回日本高血圧学会総会で報告された。

 佐藤氏は、宮城県内を中心とする医師会の勉強会などで、原発性アルドステロン症の特徴を説明し、該当する患者がいる場合、ぜひ医局(東北大学病院腎高血圧内分泌科)に問い合わせか紹介をしてほしいと呼びかけて回った。

 同氏が説明する原発性アルドステロン症の特徴は、高血圧患者のうち、比較的若年者、治療抵抗性、重症高血圧、急な血圧コントロール不良、低カリウム血症などと、初診時の血漿アルドステロン濃度(PAC)と血漿レニン活性(PRA)の比が、PAC(ng/dL)/PRA>20、PAC(ng/dL)>12かつPRA<1となる症例だ。

 紹介された患者に対しては、30分間の安静臥床後、負荷試験(カプトリル50mg負荷後もPAC/PRA>20、またはPRA<1で、ACTH負荷後のPAC(ng/dL)>20)で確定診断を行う。

 この結果、紹介されたPA疑いの724人の45%に当たる326人がPAと確定診断された。このうち204人(62%)は入院となったが、残りの124人(38%)は、地域連携による薬物治療で、4〜6カ月ごとの経過観察を行った。

 佐藤氏は、「薬を出してもなかなか血圧が下がらない、30代、40代で家族歴もないのに血圧が高い、アンジオテンシン2受容体拮抗薬ARB)を出しているのに低カリウム血症などといった症例に遭遇したら、ぜひアルドステロン症を疑っていただきたい。PAを見逃した患者が腎不全、心不全を発症して病院に送られるのは、医療経済上も大きなマイナス」と強調した。