兵庫医科大学内科・冠疾患科の土居隆氏

 インターロイキン18IL-18)は、多彩な機能を有するサイトカインであり、その増加は急性冠症候群ACS)や心不全の危険因子となることが知られている。兵庫医科大学内科・冠疾患科土居隆氏(写真)らは、10月9日から11日まで札幌市で開催された第31回日本高血圧学会総会のポスターセッションにおいて、心筋細胞に対するアルドステロン(Ald)刺激がエンドセリン1(ET-1)とアンジオテンシンII(AII)の合成・分泌促進を介してIL-18の発現を亢進させること、その亢進はL/N型Ca拮抗薬シルニジピンにより抑制されることを報告した。

 AldとET-1、AIIは、いずれも心血管系に対し病態を修飾、悪化させることが知られる。土居氏らはまず、新生ラット仔より調製した心筋細胞初代培養系にAldまたはET-1、AIIを添加し、これらの刺激に伴うIL-18発現レベルの変化を検討した結果、AldとET-1、AIIは、いずれもIL-18発現を著明に増強することを確認した。またAld受容体拮抗薬、AII受容体拮抗薬(ARB)やET-1受容体拮抗薬の存在下でIL-18発現が抑制されたことから、AldはET-1およびAIIを介してIL-18発現をもたらすものと考えられた。

 次に土居氏らは、上記の実験系に種々の濃度のシルニジピンまたはL型Caチャネル阻害薬であるニフェジピンを添加し、これらがIL-18発現に及ぼす影響を検討した。その結果、Ald、ET-1、AIIのいずれの刺激を加えた場合にも、シルニジピンは濃度依存的にIL-18発現を抑制した。これに対し、ニフェジピンはIL-18発現レベルになんら影響を及ぼさなかった。

 さらに、AldはET-1受容体およびAII受容体から核に至る細胞内シグナル伝達系の中核をなすRhoキナーゼのリン酸化を促進したが、これもシルニジピンによって抑制された。これに対し、ニフェジピンにはこうした効果は認められなかった。

 以上より、心筋細胞におけるAld、ET-1、AIIによるIL-18の発現増強機序にN型Caチャネルが何らかの形で関与していることが推測された。土居氏は、「Ald、ET-1、AIIによる心血管疾患の発症・進展の抑制には、N型チャネルに対する抑制作用をもつシルニジピンが有益であると考えられる」と述べた。

(宇田川久美子=メディカルライター)