大阪大学医学部内分泌代謝内科の小村徳幸氏

 心房細動脳梗塞心不全のリスクになるが、動悸などの症状を伴わないことも多く、病識が乏しい患者が少なくないため、早期発見は容易でない。こうした心房細動の早期発見に、心電センサーと検出用ソフトウエアを内蔵した家庭用血圧計が有用である可能性が示された。大阪大学医学部内分泌代謝内科の小村徳幸氏(写真)らの研究成果で、国内の患者に対する臨床成績はこれが初めてという。札幌で開催された第31回日本高血圧学会JSH2008)のポスターセッションで10月10日に報告された。

 小村氏らは、市立川西病院(兵庫県川西市)を受診した連続105人を対象とした。主治医によって患者へのインフォームドコンセントをとった上で、検査室でセンサー内蔵血圧計(台湾Microlife社製、未発売)による血圧と不整脈サインの計測と、通常の心電計による12誘導心電図を引き続いて施行し、両者を比較した。

 新デバイスの判定アルゴリズムは次のようなシンプルなものだ。(1)カフ圧縮時の10心拍を検出する、(2)R-R間隔の平均値(M)と標準偏差(SD)を求め、SD/M≧0.06なら不整脈陽性とする、(3)ただし、R-R間隔が平均値から25%以上離れているものは除外する。

 患者は平均68±14歳(17-91歳)、男性63%で、67%が高血圧、34%が糖尿病、9%が冠動脈疾患を有していた。

 結果は、心房細動患者10人はすべて陽性、洞調律の91人中88人は陰性と判定した。洞調律の3人、心房性期外収縮3人、心室性期外収縮1人の計7人で偽陽性となった。心房細動についての検出感度は100%、特異度は92.6%と良好な結果が得られた。

 さらにカテーテルアブレーション後のフォローアップ用として、薬剤抵抗性発作性心房細動患者(48歳男性)に対して本機を貸し出したところ、朝夕の血圧測定時と動悸発作自覚時に不整脈サインを患者自身に記録してもらい、詳細な情報を得ることができた。

 小村氏らは、300人超について同様の研究を進めており、2009年春に報告予定としていた。