2008年6月にスタートした高血圧専門医制度をめぐる特別企画が10月11日、第31回日本高血圧学会総会で開催された。同制度では3年間の過渡的措置を設け、高血圧学会特別正会員FJSH)が高血圧専門医を申請する際の要件を緩和していることから、第一線のベテラン開業医にとっては、FJSH取得後の専門医の申請・取得も選択肢のひとつとする見方も浮かび上がった。

 特別企画では、今学会の会長を務める札幌医大の島本和明氏が高血圧専門医制度の概要と経緯を説明。これまでに、2008年4月に指導施設における研修を開始し、同年7月には第1回臨時専門医試験(18人受験)を、また10月の学会直前には第2回臨時専門医試験(205人受験)を実施したことを報告した。島本氏は、他の学会と同レベルの専門医制度を目指す以上、「試験の実施が必須」となる点を強調。自らも受けた試験は、「なかなかに難しい内容だった」と話し、会場の笑いを誘った。

 今後の予定としては、2009年3月には「高血圧専門医ガイドブック」を発行し、2009年中に正規の専門医制度試験を実施する。

済生会呉病院内科の松浦秀夫氏

 続いて登壇した済生会呉病院内科の松浦秀夫氏(写真)は、高血圧専門医制度の規則をもとに、受験資格、申請に必要な書類などについて解説した。また、3年間の過渡的措置についても取り上げ、たとえば受験資格の中に、「評議員、特別正会員(FJSH)においては、履歴書において5年以上の高血圧診療実績がある場合、高血圧専門医制度規則に規定する研修カリキュラムの内容をすでに終了しているものと見なす」との条文があることに言及した。

 評議員、特別正会員(FJSH)も、他の会員同様に試験を受けなければならないが、学会事業への貢献や高血圧診療の実績を考慮し、申請の条件や手続きにおいて緩和措置が取られていることを強調したものだ。

 なお、松浦氏は、日本高血圧学会専門医制度規則・諸細則・申請書を日本高血圧学会のホームページに掲載していると指摘、参考にするよう求めた。

 質疑応答ではフロアから、評議員あるいは特別正会員ではない第一線の開業医が高血圧専門医制度を申請する際は、たとえば診療実績を記入するために過去の指導医の下での診療記録を調べ直さなければならないといった障壁があり、申請する開業医が少なくなるのではないかといった懸念が表明された。

 加えて、第一線の開業医にとっては、高血圧専門医制度を申請する前にFJSHを取得し、3年間の過渡的措置を活用した方が有利と考える人も出てくるとの見方も出された。

 学会としても第一線の開業医が高血圧専門医を取得することを望んでおり、その開業医らが申請し難いという指摘については、「柔軟な対応を検討したい」(会長の島本氏)との意向を示した。


◆参考資料
1)日本高血圧学会専門医制度規則・諸細則・申請書
2)特別正会員(FJSH)制度