埼玉医科大学総合診療内科教授の中元秀友氏

 メタボリックシンドロームを有する高血圧患者を対象として、アンジオテンシンII受容体拮抗薬ARB)2薬を比較する国内初の臨床試験FUJIYAMA STUDY」の結果が報告され、PPARγ活性化作用を持つテルミサルタンが、主要評価項目の早朝高血圧低下と、二次評価項目のうち、LDL-C低下で有意に良好な結果を得た。本試験の責任研究者で埼玉医科大学総合診療内科教授の中元秀友氏が10月25日、日本高血圧学会のプレナリー(高得点演題)セッションで報告した。

 FUJIYAMA STUDYは、無作為化前向きオープン結果遮蔽試験(PROBE)で実施された。20歳以上で、腹囲に基づく肥満(男性≧85cm、女性≧90cm)と高血圧があり、これらを含めて日本肥満学会の定義を満たすメタボリックシンドロームを有する患者を対象に、目標症例数を各群150人の計300人に設定した。

 2005年10月〜2006年3月までのエントリー期間中に289人を登録、142人をカンデサルタン群、147人をテルミサルタン群に無作為割り付けした。今年8月までにすべての試験を終了。最終的にカンデサルタン群110人、テルミサルタン群109人を解析対象とした。

 登録患者には、既存治療を継続した状態で2週間の家庭血圧計測を実施した後、カンデサルタン4〜12mg/日、またはテルミサルタン20〜80mg/日を12週間投与し、試験期間中、血圧測定を継続した。主要評価項目は早朝家庭血圧、2次評価項目は、就寝時家庭血圧のほか、肥満、血清脂質、糖代謝、腎機能の検査値とした。

 家庭血圧値の収集には携帯電話と専用アダプターを利用した遠隔医療監視(テレメディスン)を用いた。参加者は自動血圧計を用いて早朝起床時と就寝前の2回、家庭血圧を測定し、データ転送システムによって中央サーバーに自動転送した。

 試験の結果のうち、早朝家庭血圧の試験開始時と終了時の差は、テルミサルタン群がカンデサルタン群に対して、収縮期血圧(p=0.0453)、拡張期血圧(p=0.0122)とも有意に大きかった。

 また、テルミサルタン群では、LDL-C値が開始時に比べて終了時に有意に低下した(p=0.046)が、カンデサルタン群では有意な低下はみられなかった。その他の血清脂質、糖代謝、腎機能の検査値と、肥満に関する体重、BMI、体脂肪率、内臓脂肪率の各指標は、両群とも開始時と終了時で有意な変化はみられなかった。

 なお、本試験のプロトコルの概要は、国立病院医療情報ネットワークの臨床試験登録システム(UMIN-CTR:http://www.umin.ac.jp/ctr/index-j.htm)の「C000000324」で閲覧できる。