慢性腎臓病CKD)を伴う高血圧患者の降圧にはRA系抑制薬が第一選択となるが、確実な降圧のためには降圧効果に優れたCa拮抗薬の併用が必要である。しかし、Ca拮抗薬には多くのサブタイプがあり、腎血行動態への影響は一様ではない。近畿大学医学部腎臓膠原病内科の佐藤弘章氏らは、輸入・輸出細動脈をともに拡張することが報告されているN型Caチャネル拮抗薬シルニジピンに着目。進行したCKDを伴う高血圧患者に対し、RA系抑制薬併用下でシルニジピンとアムロジピンとの比較試験を実施した結果、シルニジピンの方が腎保護効果に優ることを、日本高血圧学会のポスターセッションで報告した。

 本検討は、Stage 3のCKD(GFR予測値:30〜59mL/分/1.73m2)を有し、アンジオテンシンII受容体拮抗薬ARB)またはアンジオテンシン転換酵素ACE)阻害薬で治療中の高血圧患者24例を対象としたシルニジピン対アムロジピンのオープンラベル比較試験である。患者は無作為化の上、現行の降圧薬にシルニジピン10mg/日(効果不十分の場合は20mg/日まで漸増)またはアムロジピン5mg/日の投与を受けた。

 6カ月間の治療により、両群の血圧は良好に低下し、両群間に差は認められなかった。また、血中尿素値、血清K値、尿酸値にも、試験期間を通して両群ともに有意な変化は認められなかった。

 また、アムロジピン群では、尿中アルブミン/クレアチニン比ACR)や糸球体濾過率GFR)にも有意な変化はみられなかった。しかし、シルニジピン群では、GFRの変化はみられなかったものの、ACRは経時的に低下し、6カ月時のACR低下率は約38%にも及んだ。

 6カ月という比較的短期の観察にもかかわらず、両者のACRにこれだけ著明な差が生じたことは意義深い。さらに、両薬剤の降圧効果は同等かつ十分であったことから、佐藤氏は「進行したCKDを伴う高血圧患者へ降圧療法を実施する際、RA系抑制薬と併用するCa拮抗薬としては、アムロジピンよりシルニジピンのほうが好ましいと考えられる」と結んだ。