GABA含有減塩しょうゆの降圧効果を報告した梶本氏

 降圧作用が期待されているGABA(Gamma Amino Butyric Acid:γ-アミノ酪酸)を含んだ減塩しょうゆが、軽症高血圧の人の血圧改善に寄与することが分かった。和歌山県立医大客員教授の梶本佳孝氏(写真)らが10月27日、日本高血圧学会のポスターセッションで発表した。

 梶本氏らは、キッコーマンが日常的な摂取を目的に開発したGABA含有減塩しょうゆについて、軽症高血圧者や正常高値血圧者に対する有用性を検討するため、ランダム化二重盲検法を用いた3群間の並行群間比較試験を実施した。

 対象は、軽症高血圧または正常高値血圧に該当する成人男女で、降圧治療を受けていない161人(男性86人、女性75人、年齢48.6±9.2歳)。しょうゆの1日摂取量を8mLとし、1日量に120mgのGABAを含有する減塩しょうゆを摂取する群と、1日摂取量8ml中にGABAを含まない濃口しょうゆ摂取群、さらに減塩しょうゆ摂取群の3群に分けて比較した。

 試験期間は摂取前の観察期間4週、摂取期間12週、摂取終了後の観察4週の計20週間。2週間ごとに来院してもらい血圧測定などの検査を行うとともに、各しょうゆ摂取の有効性を評価した。同時に、摂取期間の前後で血液検査などを実施し安全性の評価も行った。

 成績をみると、GABA含有減塩しょうゆ群の収縮期血圧は、摂取12週間後に、濃口しょうゆ群より有意に低値を示した(p<0.05)。また、摂取12週間後の血圧の変化量をみると、GABA含有減塩しょうゆ群は−2.2mmHgだったが、濃口しょうゆ群は2.3±12.8mmHg、減塩しょうゆ群は1.6±9.9mmHgで、GABA含有減塩しょうゆ群がいずれの群よりも有意な低下を示した(p<0.05)。拡張期血圧についても、有意差は見られなかったが同様の傾向にあった。

 軽症高血圧者と正常高値血圧者の層別でみた場合、こうした傾向は、軽症高血圧者で顕著だった。なお、安全性については、12週間の摂取においても有害事象の発生は認めなかった。

 これらの結果から梶本氏らは、「GABA含有減塩しょうゆは、血圧が高めの人の血圧改善に寄与するとともに、安全性も確認された」と結論。さらに「降圧は軽度だったが、しょうゆという日常的に使用する食品によって降圧効果が確認できたことは意義深い」などと考察した。