神奈川県内の開業医や勤務医を対象とする降圧薬処方動向調査で、単剤で処方する場合の第1選択薬はCa拮抗剤薬が57%で1位だった。アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)は37%で続いたが、ACE阻害薬は4%にすぎなかった。神奈川県内科医学会あるいは神奈川県保険医協会に所属する医師を対象に2005年に実施した調査から判明したもので、横浜相鉄ビル内科医院の森壽生氏らが10月27日、日本高血圧学会のポスターセッションで発表した。

 調査は、実地医家の降圧薬処方の背景を分析することで高血圧治療の向上に役立てることを目的に行った。対象は、神奈川県下の1996の医療機関で、高血圧治療に関するアンケート調査票を送付し郵送により回収した。調査期間は2005年11月1日から30日までで、543人の医師から回答を得た(回収率27.2%)。回答医師の属性をみると、性別は男性478人、女性55人、勤務形態は開業医353人、勤務医150人(無回答40人)、年齢は男性が53.5±12.6歳、女性48.9±13.3歳だった。

ポスター会場でも熱心な議論が展開された

 調査の結果、降圧薬を単独で処方する場合の最も多い薬は、第1選択薬ではCa拮抗薬が56.9%で1位、ARBが37.2%で2位、ACE阻害薬が3.5%で3位だった。利尿薬は0.4%、β遮断薬は0.2%に過ぎなかった。第2選択薬も尋ねているが、こちらはARBが42.9%で1位、Ca拮抗薬が35.5%で2位、ACE阻害薬が11.8%で3位だった。β遮断薬が3.1%、利尿薬が2.1%だった。

 Ca拮抗薬とARBについて単独で処方する理由を分析すると、Ca拮抗薬では「薬価が安い」と「処方経験がある」が主であるが、一方のARBでは「副作用が少ない」「MRがすすめる」「大規模臨床研究で使われた」などが主な理由であることが分かった。

 また、ARBとACE阻害薬について単独で処方する理由を分析すると、ARBでは「効果が良い」と「副作用が少ない」が主であり、一方のACE阻害薬では「薬価が安い」と「処方経験がある」が中心であることが明らかになった。

 なお、Ca拮抗薬とARB以外の薬の処方が少ない理由としては、情報が少ないこともあげられると考察している。